とんぼ日記2020年

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構想変更(12/30)

一つ下の書き込み(12/25)でDQ5二次新作をパパスとヘンリー父の話で始める、とか書いてますが、構想変更です。先にヘンリーのいるラインハットでの話を語り、そこで起きた事件の原因と言うか犯人に当たる存在の正体がパパス編でわかる、という仕組みにすることにしました。事件は、ある日を境にラインハット城のあちこちでマリアとそっくりの声が「黒髪の男の人が好き~」という話をするのが聞かれる、というもの。最初にそれを聞いたのは、デール王の母、太后アデル付きの侍女セイラでした。彼女の心配はやがて的中します↓

「マリア奥さまが」
ほほほ、とレディは高笑いを響かせた。
「いらしたわね、そんな名前の方。ご存知?あの方、昔の恋人と切れていなかったそうよ?」
サロンじゅうの女たちの間からため息とも歓声ともつかぬ声が湧き上がった。貴婦人もメイドも、老いも若きも、全身を耳にしてこの告発を聴いていた。
 マリアは唇を震わせた。
「私に何かご意見があるのでしたら、はっきりとおっしゃってください」
「あのね、あなた、悪い事は言いませんからお聞きになって」
まったく別の所にいた女性が声をひそめてマリアにささやいた。
「不道徳なことをしたのなら、まず態度を改めてはいかが?開き直っていては、お話になりませんわよ?」
「何も恥じるべきことはしていません」
辛抱強くマリアは答えた。
 レディ・ゴートンは、絶対にマリアに話しかけないと決心しているかのようだった。
「でも、ヘンリー様がそうおっしゃったのだそうよ?」
あくまで内々の会話を装ってあげつらう。この陰湿にはアデルさまも昔さんざん苦労なさった、とセイラは思い出して歯ぎしりしたい気分だった。
「“もしかするとマリアはお前の方を好きだったのかも知れないけど”だそうな」
扇の陰から、彼女たちは青ざめたマリアを見下していた。
 あなた方はそうしたかったのね、とセイラは思った。マリア奥さまを見下して堂々と咎めても大丈夫だというチャンスを狙っていたのね。
 ラインハットの宮廷は、昔も今も鬼と蛇の住処だった。
「ルークさまのことでしたら、私とおつきあいしたような事実はありません」
毅然としてマリアは抵抗した。
 ほほほ、と高笑いが突き崩した。
「あら、お名前が出てきたわ。お心当たりがあるのねえ!」
「やっぱりそうでしたの」
「修道女でいらした時から?まああ!」
「いやだ、耳が穢れますわ」
 セイラはあたりを見回した。中心になってマリアを貶めているのは三、四人だった。にやにやと眺めているのは、あの忠告を装った決めつけ女を含めて二人ほど。先ほどのおとなしそうな夫人は気の毒そうにしていたが、助けに入ることもしなかった。大部分の女性たちは突然の告発を信じていいかどうかとまどっているように見えた。
――がまんできません。ならば、わたくしが!
とセイラが息を吸い込んだ時、ばしん、と大きな音がした。婦人持ちの扇をたたんで柱を殴りつけた音だった。
「おだまり」
アデル太后が、女たちをにらみつけていた。
「ここをどこと心得おる。出て行きや」
 一瞬、女たちは静まり返った。だが、相手がアデルとわかると虐めのターゲットを増やすことにしたようだった。
「何か聞こえまして?」
尊大なレディが、またレースの扇をひらひら舞わせた。
「負け犬の」
遠吠えかしら、と答えようとしたらしい。その瞬間、白い手袋でおおった手で、アデルはレディ・ゴートンに平手打ちをかました。
「な、なんてことを」
アデルはじり、と詰め寄った。
「まだこのような口さがないマネをしやるかえ?そうじゃ、わらわが入内したときも、よう言ってくれたのう。“どこの馬の骨”、“いかがわしい手でのしあがった”、そうほざいた顔、忘れておらぬぞ!」
火の玉のような上昇志向と傲慢すれすれの気の強さで鬼の住処を切り開き、アデルは一度、ラインハットの女王の座へ登りつめた。
「おさがり。下がりゃ!わらわは今もこの国の国母じゃ。誰に口をきいておる!」
にらみつける眼力は誰よりも強い。
 視線を正面に据えたまま、アデルは声を張った。
「誰かある!この不埒な女どもをたたきだしゃ!」
 驚いた警備兵たちが部屋の中をのぞきこんだ。
「まあ、太后さま……」
先ほどの忠告女は、とっさにおもねりに切り替えた。
「私たちはね、ただ、この宮廷にふさわしいのは不道徳な女よりアデルさまのような方と思っていましたのよ?」
そう言ってにじり寄ろうとした。
「カン違いしやるな」
アデルはぴしゃりと言った。
「よいか、ヘンリー殿はわらわを母とも思うと言うてくれた。ならばこれなるマリア殿は、わらわの娘ではないか」
女たちがそろって顔をこわばらせた。アデルが詰め寄った。
「ようもようも、わらわの娘を苛めたな?どうしてくれようかっ」
――この方は、お変わりになった。
泣きたいような、笑いたいような心地で、セイラはそう考えた。わがままに近いほど気性が激しく、ヒステリックにわめきたてる。だがその激しさを、弱い者を守るために使うようになられた。
「ええ、どれもこれも浅ましい顔を並べおって。不愉快じゃ。とっとと去ね!聞こえぬか、出ておいきーっ」
 怒声を浴びて貴婦人たちは真っ赤な顔で逃げ出した。お付きの侍女たちがあわてて追いかけていった。遠巻きにしていた貴婦人たちも、いたたまれないようすでこそこそ退出した。お茶会の部屋は静かになった。
 うっ、ぐっと、誰かが嗚咽の声をあげていた。
 幼い少女のように、マリアが泣いていた。
「あのような手合い、取りあってはなりませぬ」
とアデルは厳しく言った。
「コリンズ殿が次の王となられた時は、マリア殿が国母の君じゃ。悪いうわさをいちいち気にしていては足を取られますぞ。よろしいか」
と言ってアデルはふりかえった。
 マリアは両手を握りしめ、涙を流していた。
「あっ……が……」
たぶんありがとうございますと言いたいのだろうとセイラは察した。
「ありがっ……、お……かあさま」
 セイラは手で口元をおおった。
「ありがとう、ございます、……かあさま」
 アデルは硬直していた。先ほど荒れ狂った迫力はどこへいったものか、アデルの頬が赤くなった。とまどった顔でセイラを見、助けを求めるようにマリアの秘書を見、どうしていいかわからないようすで立ち尽くした。
 えっ、うくっとマリアが泣きじゃくる。
 困り切った顔でアデルはつぶやいた。
「な、泣くでない」
 おそるおそる、アデルが近寄った。咳払いをした。
「これ、泣き止んでたもれ。まるで、わらわが泣かせているようではないか……のう、マリア殿、そのように泣いては……こまるゆえ、のう……」
そして、まるで壊れものに触れるかのように義理の娘を抱え、そっと髪を撫でた。

あとからコリンズが、「おばあさま、かっけー!」になるといいな、という幻想でした。お話は、この不埒な噂のもと探しから入り、やがてラインハットを襲う大災厄につながる予定です。

DQ5二次新作計画(12/25)

クリスマスが終わりましたが、いかがお過ごしだったでしょうか。とんぼは年末年始の作業を手抜きながらも終えて、というか、終わったことにして、久しぶりに楽しいことをやろうと計画を練っています。

DQ5二次創作。主人公は5主とヘンリー。

今年はほとんどそのことばかり考えていました。実は、来年2021年の一月は、当サイトの20周年にあたります。〇周年とかの企画作は、とんぼがどんくさくてたいてい間に合わないので、今までやってませんでした。が、今回ばかりはちょっと特別、ということと、しばらくDQ5二次をちゃんと書けていなかったので自分にはっぱかける意味で、少し長めの作品を構想しました。

ここで一度詰まってしまいました。つまり、二十年同じ題材を扱っているわけです。ここからまた新しいネタをどうやって引き出すか、が大問題でした。このへんはいろいろと試行錯誤しまして、「旅」「三世代」というキーワードを手に入れてやっと形になりました。いや、まだ、なってません。書いてる、というか、構想中です。でもサイト創立記念日にはアップしたいと思っています。

そんなわけで、本日からつらつらと自作語りをやります。こんな日記に目を通してくださる奇特なみなさま、よろしければおつきあいください。事の起こりは、第一世代。パパスとサンチョ、そしてヘンリーの父と設定したラインハットのエリオスが、とある島で冒険するところから始まります。

 パパスたちがエルヘブンへ流れ着いたのは偶然だった。それは同時にエルヘブンのうら若い巫女姫マーサとの出会いでもあった。エルヘブンの長老たちの願いを、大巫女マーサからの依頼という形で受けた時、パパスはわずかな手がかりを頼りに宝の眠る謎の島を目指した。
「この宝箱に、お求めの品物が入っているとよいのだが」
エリオスが浮かれ出した。
「お見せしなくてはわからないではないかっ。さっさと行くぞ」
サンチョが珍しくエリオスに賛同した。
「命短し、恋せよ乙女と申しますからな」
お?とエリオスが言った。
「そなたなら“大事な若様に素性の知れぬおなごなど近づけませぬ”とかなんとか言いそうだと思ったのだが」
サンチョは胸を張った。
「このサンチョを見くびっていただいては困ります。生え抜きのパパスさま派ですぞ。パパスさまが憎からずお思いになったご婦人なら、品性卑しからぬ才色兼備の女君に決まっておるのです」
この件に関しては、サンチョもすっかり前のめりだった。別にパパスは、巫女姫マーサに会いたくないわけではなかった。実を言うと、寝ても覚めてもマーサの顔が目の前にちらついている状態だったのだ。
「さてさて、この宝箱にアクセサリでも入っておりませんかな。ご依頼とは別に、よい贈り物になりますのに」
「なかなかの名案だ」
と言って、エリオスがのぞきこんだ。
「お宝を見てみたい。開けてくれ」
 サンチョが、またちょっとむかついた顔になった。
「これは若殿が命がけで持ち出された品ですぞ。それを我が物顔におっしゃいますなあ!」
エリオスは肩をすくめた。
「もともと殿とて、中身を見たくて持ち出したのであろう?」
「そのとおりだな」
パパスは宝箱を地に据え、その蓋を開けた。
 いわゆる宝石や金貨などの宝は、その中にはなかった。だが、明らかに尋常ではないオーラを放つ魔導書や宝剣、七色の霊布、真紅の妖金属などが詰め込まれていた。
 エリオスは嘆声をあげた。
「これは驚いた。ラインハットの宝物庫でもこれほどの品はないぞ」
 む、とパパスはつぶやき、一番上にあった書物に手を伸ばした。くすんだ青い表紙の、大きな分厚い本だった。
「やはりあったか。天空城伝説の原本だ」
「ほう、マーサ殿はそれをお求めだったのか?」
とエリオスが尋ねた。
「あ、いや、別の本だ。だが私は昔からこの伝説に興味を持っているのだ。君は知らないか、空に浮かぶ城と、導きの勇者の物語だ」
「聞いたことはあるが、ただのおとぎ話であろう?」
「そんなことはない」
自信満々にパパスは答えた。
「現に私の母の生国には、導きの勇者がかつて装備していた天空の兜が保存されているのだ」
 パパスはそっと本を開いた。
「空に高く存在せし城ありき。しかしその城、オーブを失い地に落ちる……」
黄ばんだ紙面には彩色された城の図が描かれている。なぜかその城は雲の中にあり、宙に浮いているようだった。
「なんだ、つまらんな。どれどれ」
エリオスは宝箱を手で探った。
「どれも難しそうだな。いや、これなら読めるか?」
そう言って一冊の巻き物を取りだした。
「また勝手に!」
「見るだけだ、見るだけ」
エリオスは止め紐をほどいて紙を広げた。
「なんだ、これは」
 その時だった。エリオスの手の上のいかにも古めかしい巻き物から銀の粒のようなものが一斉に湧き上がった。空気中のホコリというより細かい雪のようで、風もないのにエリオスの頭上まで舞い上がり、そのままふわふわと降りて体中に定着した。
 同時に巻物がぼろぼろになり、表紙も本紙も、それどころか軸や紐まで音もなく崩れ去った。
「エリオスさま!いったい何を」
「余は何もしていないぞ」
戸惑った顔でエリオスはそう言った。
「驚いた」
とパパスが言った。
「それは技法書というものだろう。読んだ者が技法を習得すると、技法書そのものは消えてしまうと聞いている。この目で見たのは初めてだ」
エリオスは自分の両手をしみじみと見下ろした。
「まいったな。技法か。余は、うっかり人工使い魔の作り方を覚えてしまったらしい」
 パパスとサンチョは顔を見合わせた。
「なんということだ。殿下が読んだそれが、マーサ殿の御所望の本だぞ」
エリオスは片手で額を支えた。
「やらかしたか!むむ」
そのまましばらく、悲劇的な表情でかたまっていた。
「坊ちゃ……殿、どういたしましょう」
「しかたがあるまい。殿下をエルヘブンに連れて行ってお望みの使い魔を長老方の目の前で造らせるしか、償う方法はなかろう」
 いきなりエリオスは片手を離し、にやりとした。
「おお、償うとも。婆様はともかく、巫女姫の手を取って跪き、幾重にも許しを請うのだ」
おい、とパパスが言いかけた。
「ついでに殿をうんとアピールして、どうかグランバニアへ盗まれてやってくださいとお願いしておこう」
パパスはむせかけた。ゲホゲホしているのを、後ろからサンチョが背をたたいてくれた。
「大丈夫ですか、若殿。エリオスさまが技法を手に入れてしまったのはとんだ事故でございますが、考えようによっては根性の曲がったどこかの魔導士あたりが技法を覚えるよりましでございましょう」
「その通りだ」
とエリオスは言った。
「それに人工使い魔とやら、上手く造れたら、なかなかおもしろそうだ」
そう言ってエリオスは、くっくっと笑った。もし、パパスのまだ生まれていない息子がその笑顔を見たら、彼の長男の笑い方とそっくりだと言ったかもしれない。

お話はこんな感じで始まります。技法書というのは、小さな5主が覚えた鍵の技法に出て来たものをイメージしています。若パパスさんを書くのは楽しくてしょうがないです。続きはそのうち。

来週のダイ大は魔石砕き(11/22)

毎週土曜日の朝に、「ダイの大冒険」を楽しんでいます。現在ロモス王国にクロコダイン率いる百獣魔団が押し寄せ、ダイがピンチを迎えております。実はこの回から続くポップの反撃が昔からとんぼは好きでして。いち読者としてコミック版ダイを読んだ時から印象的なシーンだったし、旧アニメもよかった。お話を作る側から見てしまうのですが、その目から見ても、いいなあ、と思うのです。
 実はこのロモスの戦いで、ダイはまったくぶれていません。クロコダインが来た、ロモスの王様が危ない!で飛びこんでいき、じいちゃんを攻撃できないよ、でためらいます。義侠心、思いやり、アバンのしるしが示す通り、ダイはそういう子なのです。
 が、クロコダインの方は揺れ動きます。誇り高き武人から、結果を出したいためにザボエラの策略に乗ってしまう、そこからポップの言動に接して再びプライドへ立ち戻っていく。ポップの陰であまり目立ちませんが、クロコダインの揺らぎは、古き良き少年漫画の美しさを持っていると思います。
 ポップのほうは大きな方向転換があり、そのまま突き進みます。実に大魔王戦にいたるまで、ポップの進む道を決定づけたイベントでした。ためらう少年に“導師”が道を示し、少年は決心する。熱いイベントです。こうして作者(原作の三条陸先生)は、燃えるような意志と非力な体を併せ持つポップを戦いの場に放り出します。
 とんぼのような凡百の書き手なら頭を抱えるところですが、作者はポップに解を与えました。「力なき正義も無意味」とはアバン先生の言ですが、現実的な解決方法の無い参戦も無意味です。魔石砕きは、荒々しい動作と緻密な計算があいまって、ダイ大全巻を通じて一二のポップの見せ場だと思います。
 ちなみに好きすぎて、うちの二次のサマルくんにも前に魔石砕きをやってもらいました。「月と海神の王国」のおしまいのほうで、魔導士の杖の先端の魔石を砕いています。
 サマルトリアの王子、ラインハットのヘンリー、思えばとんぼが好きになるキャラには共通点がありますね。主人公よりステータスは二三歩下がるけれど、解決方法を導きだすためにあがくという。「おれが自慢できるものといったら……このこざかしい頭ん中しかねえ!!」最終決戦でポップはこの覚悟を聞かせてくれるはずです。楽しみです。

拍手御礼(10/27)

>今高校三年生で~の方、こんにちわ。うちのヘンリー大好きと言っていただいて最高に嬉しいです。ヘンリーはうちの二次では、正統派より少々性格の悪い親分になっているかもしれません。が、お気に召したら何よりです。今度受験の方なんですね。今年はとりわけ大変な受験だと聞いてます。よかったら、サイトに息抜きにに来てください。応援とコメント、ありがとうございました。

二人旅(10/26)

このところweb拍手にときどき拍手をいただきまして、ありがとうございます。実は今年の初夏からこちら、ずっとひとつの物語を編もうとして、がんばってました。最初のアイディアを捨て、その次のも捨て、三度目になんとか形になりそうだと思ったところでアウトラインを総とっかえして、やっと形が見えてきました。こんなふうに↓

「どうした?」
ルークは我に返った。
「ああ、ええと、石板の話だよね。残念だった」
「俺も期待してたんだが、まあ、なんとかなる」
 今のヘンリーは色のさめたチュニックを着てベルトで締め、その上からマントをつけている。ありふれた旅人のいでたちだが、ベルトには鞘を吊り、そこに使いこんだ剣を納めていた。
 ブーツは厚地ですねまで靴ひもで締めあげる、旅行用のしっかりしたものだった。やおら懐からバンダナを取りだした。バンダナの端をかるくくわえ、両手で後頭部の緑の髪を束ね、バンダナできっちりまとめた。
盆地の中を風が吹きすぎた。草原を埋める草がいっせいに波打った。風はヘンリーとルークのマントもそよがせた。
 ルークはしみじみ空を見上げた。
「なんだか不思議だ。ずっときみと旅をしてきたような気がする」
十代のころ共に旅して、肩を並べて戦った。そして一度は別れた。それぞれ結婚し、子供が生まれ、別々の道を歩いてきたはずなのに。
「だよなあ」
あのころと変わらず空は青く、風に乗って雲のきれはしが動いていく。少し年を取った友だちは旅人の服を身にまとい、腕を組んだまま空を見上げ、目で鳥の群れを追っていた。

今、こんなことやってます、という言いわけみたいなものですし、このプランもまたころっと捨てるかもしれません。でも、今だけは三十路近い王族コンビの二人旅の幻影に酔っていてもいいかなと思います。苦しんでる時は連鎖的にやばくて、いらつく→体調悪くなる→興味が狭くなる→これというシーンが見えない、なんていうサイクルをやってました。でも興味を広げてくれるもの、ダイ大とか夜叉姫とか、約ネバとか鬼滅とかにはまっていたら、サイクルが逆回転した感じです。これに乗って、うまく話が滑りだしますように。

拍手御礼(10/18)

>ダイの大冒険~の方、いらっしゃいませ。昔はドラクエって特別でしたけど、今は他にゲームとか漫画とかたくさんありますもんね。ドラクエの予備知識がないために食いつきが悪い、というのは確かにそうだと思います。今回のダイ大そのものが30年前に小学生だった視聴者へのプレゼント的なところがありますから。でも造る方も、ただ昔は良かっただけではないと思います。今の子供たちにも受ける要素……やはりキャラではないですかね。主人公も真っ直ぐで明るくて、と言ってくださいましたが、ダイの性格、そしてダイを取り巻く人々の性格が、出色だと思います。特に敵だったキャラたちが次第にダイを核として集まってきて、それぞれの役割を担い、ひとつのチームを造り上げる感動でしょうか。とんぼはこのへんを語り始めるとキリがないです。また日記でうるさく語るかもしれません。坊ちゃんにも、よろしくお伝えください。熱のこもったコメントをありがとうございました。

拍手御礼(10/15)

>ダイの大冒険~の方、アバンの使徒よ、ようこそ。とんぼもこのところ、土曜日の朝を楽しみにしています。前回ダイとレオナ姫の出会いのところを見ていました。レオナ姫が、遠慮なくはっきり言っちゃう性格のためにダイがちょっとぼやいていたのですが、いっしょにデルムリン島のジャングルを行く間にお互いのいいところを見つけていく、レオナが初めの「嫌な性格の女」から「絶対助けたい人」に変わっていく、このあたりの説得力が凄いなと思いました。この関係、なんと最終回までずっと続くのですよ。モンスターとの戦いも臨場感たっぷりで楽しんでました。最後にアバン先生も出てきたし、とんぼはとても幸せです。

実は「半妖の夜叉姫」も視聴しています。最初はどうなるのこれ、とか思っていましたが、二話分見て、犬夜叉殺生丸関係なく三人のヒロインが魅力的でお話に引きこまれました。とんぼにとっては、夜叉姫、アリです。

ここから業務連絡。引き続きpixivさんへDQ2二次を搬入しています。このサイトのDQ2二次は書いた順に並んでいますが、ぴくさんでは冒険とだいたい同じ順序で並べたくなりました。というわけで、第一弾は「君とリリザで」でした。ロレ王子にサマ王子が合流するときのお話で2004年の作品です。

それと、下の書き込みで時空がぶっとんでいますが、10/5の誤りだと思います、すみません。

波の高い日(10/25)

ここ数日でpixivさんへ「破壊神シドーと緑の王子」を搬入していました。DQB2+DQ2ネタ、しかもオリジ要素ありというシロモノです。pixiv読者さんに気に入ってもらえるといいのですけど。このあとも搬入を続けるつもりですが、DQ2系へ行くか、それとも他の系列行くかで迷っています。ぴくさんにはキャプションがあるのですが、この日記みたいにごちゃごちゃ愚痴ったり言い訳してもいいというスペースじゃないらしいし。「ごめんね、ごめんね、つまんなかったらスルーしてね」と念じつつ、作業進めています。あっ、でも、緑の王子の続きの「ヤミヤミ島」はちゃんと持っていきます。

それから~それから~、この間「ダイの大冒険」が始まりました。第一話に詰め込み過ぎという評価も聞こえましたが、このくらい展開が早いと、本気でラストまでアニメ化する気だなと信じられる。早くも来週の土曜日が楽しみです。声の違和感、ほぼありません。気分よくダイ大ワールドへ没入できました。同じ日に「犬夜叉」の続きの「半妖の夜叉姫」も始まってますが、こちらは配信で見る予定です。こちらも怖さ半分、見たさ半分です。この秋は気もちの波の上げ下げが激しいようです。

石の剣の素材(9/25)

本日、23日の書き込みと同じ理由でDQB1二次「ギガンテスチキンラン」を本サイトへ収納しました。同じくDQB二次「はいと答えた男」と重なる部分があるのでこちらへアップせずpixiv専用にしようとしていたのですが、ずっと気になっていました。今回整理できて満足しています。自己満足だけど。今思えば、DQB1おもしろかったです。特にマイラ・ガライヤ編は何度も繰り返してプレイしました。ルビス様からマイラへ召喚されると、すぐおおきづちを取りだして旅の扉の近くの岩を壊して素材にする、それが条件反射になりました。現在DQRプレイ中ですが、ときどきブロック詰みたくなります。

テスト直前に整理整頓したくなるような(9/23)

前から思っていたのですが、twitterやpixivへアップした作品を整理したくなりました。減らしたい、というのではなく、形を整えたいという話です。最初はpixivさんに慣れていたなかったので形式がばらばらだったので。今のところ「クレイモランの白鳥」と「ラムダの祈り」は書いているときからこちらのサイトとpixivに両方アップしていました。他の作品も同じく二か所でアップしていけば、pixiv上にサイト「王宮のトランペット」のミラーができるはず。そんなところを目指しています。

今までpixivのみにアップしていた「バード・オブ・パラダイス」は、一度削除すると思います。削除前に「王宮~」へ移しておこう、ついでに同じくpixivのみだった「ハッピーハミング」も「王宮~」へ、ということで、二年前の作品ですが「サイト外」の文字が取れて、晴れて小説一覧へ並ぶことになりました。

当分ぐちゃぐちゃやると思いますが、原稿もちゃんと書いてます。というか、行き詰まりを感じるとサイトをいじりだすというのは、とんぼのくせです、すいません。

祭りの余韻、祭りの予感(9/9)

本日、復刻版ワンライ四編へのリンクを、もともとのワンライの目次へ付け足してきました。結果、とんぼは全部で六十編を書いていたようです。こんなに書いていたとは思わず、少し驚きました。DQ小説同盟感謝祭のあった先月、たいへん充実していて楽しかったです。閲覧も多くの方に来ていただいてありがとうございました。今でも拍手を下さる方がいらして、こちらもうれしいことです。

先日、アニメ「ダイの大冒険」の番宣を見る機会がありました。ちょっと浸りたくて、番宣動画を文章に起こす作業(とんぼは「描写の練習」と呼んでいます。)をやってみました。★内容はtwitterにアップしたのと同じです。

  銀の刃が鋭く光る。その柄を逆手につかみ、勇者は走りだした。刀身は純白の光をまとい、聖なる雷を宿した。目指すは地底の城に居を構える悪の化身。魔王は驚きに目を瞠り、悲鳴に似た叫びをあげた。その胴へ、真一文字に勇者は刃をたたきつけた。地底城の床の上に、魔王は力なく横たわった。

かつて勇者によって平和がもたらされた世界は、魔王の復活により再び危機に陥った。

 輝くような青空の下、背の高い椰子がそろって風に揺らいでいる。パペットマン、おばけきのこ、サイクロプス、ももんじゃ、ファーラット、ゴーレム、キラーパンサーといったモンスターが、その、やけに明るい地上に集まって何かを眺めていた。彼らの中心にいるのは、一人の少年だった。大きな丸い目につんつんと逆立った黒髪の、いかにもやんちゃで怖いもの知らずのわんぱく坊主に見えた。
 少年が身に着けているのは、ありふれた青い布の服、うれしそうに掲げているのはただの木刀である。
 にやりと笑うと、少年は木刀で前を指した。
「いっけぇ!」
少年がまたがっているマッドオックスは勢いよく走り始めた。
「あははははは!」
「ばっかも~ん!」
 いきなり飛んできた鬼面導士が、無造作に少年の額を打ち据えた。少年はたまらずに落下した。

勇者を目指す少年ダイは、世界を救うための旅に出る。

 ダイは背中に負った鞘から、長めの短刀を引き抜いた。柄に赤い宝石をはめ込んだパプニカ王家の重宝のひとつ、太陽のナイフだった。

 ポップと比べると、ダイは頭一つ分小柄だった。パンチを浴びせようとしても、リーチにハンデがある。それでも勢いだけはダイのほうが強い。

 島に持ち込まれた魔のサソリは猛然と攻撃を始めた。ダイはジャンプして後退しながら必死で弱点を探していた。こいつは魔法を弾き、物理攻撃にも強い。だが、仮にも生き物なら、心臓をやられればこたえるはず。ダイは思い切ってパプニカのナイフをかまえ、振り下ろした。

 重厚な鎧を装備した巨大なワニのモンスター、クロコダインが戦斧をたたきつけた。間一髪でポップが飛びのいた。物理的なぶつかいあいでは、魔法使いに勝ち目はない。ポップは魔力を集中した。くらえっ、とばかりに、燃え上がる火球を放った。

 先ほどマァムが倒したライオンヘッドが、いつのまにか起き上がっていた。とっさにマァムはポップを抱えて飛び下がった。同時に腰から不思議な武器を抜き、怪物めがけて炎を放った。
「こいつ、ただ者じゃないぜ……」
その武器の形と威力、そして凛々しい横顔に思わずポップは見惚れた。

いくたの出会いと別れ、逃れられぬ宿命

ダイの服はぼろぼろになっていたが、その胸にひとつの輝きがあった。ペンダントトップ、涙滴型の貴石が、世にも不思議な光を放っているのだった。目の前で命を散らした師のために、ダイは心の底から怒っていた。
「先生の技がどれだけ凄いか…!」
地面に突き刺さったままの剣をダイは引き抜いた。
「受けてみろ~~!!」
逆手に持った剣を背後へ回し、ダイは気合を入れて技を放った。
「アバン…ストラーッシュ!!」

すべてを背負い、ダイの戦いが今、始まる。

ゴールデンスライムは、大きな目を見開いて、ほっとしたように笑った。

「久しいな……勇者アバン…!!」
ここ数日ですっかり見慣れたと思っていた“勇者の家庭教師”、いつもおちゃらけて楽しそうなアバンが、真顔になった。

パプニカ王国の王位継承者、レオナ姫は、片目を閉じてにっと笑ってみせた。

片手でグイとゴーグルを跳ね上げて、彼女は叫んだ。
「このスケベ!!」

走ってきたために、呼吸は荒くゼイゼイ言っている。ロッドを握る手がガクガクして、足も震えていた。
……アバン先生、俺に勇気を与えてください…!!!!
ロモス城の扉を開き、ポップは一世一代の勇気を振り絞ろうとしていた。

ダイの額が輝いた。眉間の上にドラゴンの顔をデフォルメした紋章が青白く浮き出し、光芒を放った。

ドラゴンクエスト「ダイの大冒険」10月3日土曜、あさ9時30分放送スタート

自分で造った小さな舟の帆を、ダイは大きく広げた。
「出発だ~!」
海風が舟を沖へといざなう。二人の少年はまぶしそうに水平線を見つめた。小舟は軽快に走り出した。長い旅路が始まった。少年たちはふりかえろうとはしなかった。

三十秒の動画を文章にしようとして、一時間がかかりました。各々の場面を原作にあたって調べ、台詞などをぬきだしていたものですから。とても楽しい一時間でした。ついでにそのときやらなくちゃならないことを放り出して、ダイ大読みふけってしまいました。もう来月には始まるんですね。楽しみです。

拍手御礼(8/30)

>「冒険の書」~の方、お読みいただきましてありがとうございます。光あふれる礼拝堂に正装したロトトリオが立ち、拍手に包まれるというエンディング、上に「Fin」を重ねていただけたらこんな嬉しいことはありません。場面設定等は60分で造ったしろものですが、DQ2二次はやっぱりハッピーエンドになるといいなと思っています。そのためにもロンダルキアネタ書かなきゃ、と、御感想拝見して気合を入れ直しました。素敵なコメントありがとうございました。

ワンライ最終回(8/29)

復刻版深夜の真剣文字書き一本勝負、今夜が最終回です。お題と同タイトルで「冒険の書」をアップしました。あと、「#いいねがあってもなくてもDQ二次小説を語る」という二十の質問が同盟感謝祭さまから出ていたので、やっと本日解答しました。質問の回答を書きながら、今更ながらにいろいろ思い出しました。うぬぼれたこともありました。スランプでもうやめたいと思ったことも、正直言ってありました。書くの上手な人に嫉妬したこともありました……というか、今でもあります。そんな気持ちをDQ2の勇者、ローレシアの王子に寄せて書いてみました。とんぼは、ロレ君ほど立派なもんじゃないですけど。

やっぱり親分書いてしまった(8/22)

復刻版深夜の真剣文字書き一本勝負、今夜のお題と同タイトルで「おつかれさまでした」をアップしました。本日午後やっと新しい眼鏡来ました。モニタが問題なく見えるっていいわあ、と感動しています。さて、今回、DQRAネタです。登場人物は5主(ルーク)とヘンリーの他に、赤青緑の三人組はご存知ロトトリオ、美少女と赤い上着の騎士はリーダーのゼシカとククール、“漆黒の凶風”は同じくリーダーのピサロです……。だってヘンリー書きたかったんです。DQ小説同盟と関係ないけど。で、でも、ひさしぶりに自由に書けるんでつい喜んじゃったんです。同盟様には、ほんとに申し訳ありませんでした。

ピントが合わない(8/15)

復刻版のDQ版深夜の真剣文字書き一本勝負、今夜のお題から「はい/いいえ」を選んで「地上最後の質問」というお話を書き、Q小説同盟感謝祭ページ内に置きました。8/13に書いた通り、今眼鏡の度があってなくて、たいそう苦労しています。今回のお話はスマホに外付けキーボードをつないで書いてました。アップするだけでいつもの倍くらい時間がかかってます。辛いです……。新しい眼鏡はお盆をはさんで十日後と言われてしまいました。それまで手探りで生きていくつもりです。(でもSwitchでDQRAはやってる。)

やったぜ、ダブルプリンス(8/13)

8/4の日記にある通り、ドラゴンクエストライバルズが本日リニューアルを経てドラゴンクエストライバルズエース(DQRA)となりました。この日記を見てくださっている方はだいたいお察しの通り、とんぼは初日にレジェンドレアカード冒険者「ヘンリー」を手に入れて歓喜しております。……言霊というのは本当にあるのでしょうか。8/4に書いたSSの中でヘンリーは出張申請書に同行者としてサマルトリアの王子の名をあげています。そうしたら今日買ったカードパックの中にサマル君がいました。とんぼ長年の推し、ヘンリーとサマちゃん両王子のそろい踏みです。狂喜!乱舞!欣喜!雀躍!と踊っていたら、そのはずみで自分の眼鏡をふっとばしてしまい、つるがキレイに折れました。

この文章は、ひとつ古い眼鏡を使って書いていますが、すごく書きにくいです。15日にはDQ同盟感謝祭のワンライがあるというのに。……根性入れ直してきます。

ラインハットの日がやってきました(8/10)

7/18の日記で言及した「ラインハットの日」=8/10、午後三時半現在、twitterのとんぼのTL上には親分が大増殖しています。親分過剰摂取という幸せ。とんぼは、「夕涼み」という小品と、コスプレドールを使った八コマを提出してお祝いとしています。前者はメインメニューからDQ二次小説一覧⇒ヘンリー小品集⇒「夕涼み」というところに置いてあります。後者は同じくメインメニューから旅人の服あります⇒拍手御礼画像一覧⇒第九期にあります。またヘンリー小品集には、8/4の日記にあるSSを「出張申請書」と題して格納しました。ヘンリー三昧の一日です。夜になったらまた#から、親分一家をにまにましながら鑑賞しなおそうと思っています。

ワンライ復刻版(8/8)

DQ版深夜の真剣文字書き一本勝負、復刻しました。DQ小説同盟感謝祭ページ内に置きました。取り急ぎご連絡まで。

追記:無事に提出してきました。タイトルは「復活の呪文」です。感謝祭の期間が終わったら、どこかへ収納する予定です。

日記号外:ヘンリーイイイイィィィィッ!!!(8/4)

2020年8月4日、ドラゴンクエストライバルズエース真1弾「英雄たちの凱旋」に、商人のレジェンドレアカード《ヘンリー》が実装されると発表がありました。今まであまたあったDQ5のスピンオフ、そのどれにもまったく出番のなかったヘンリーが、ついに登場です。とんぼが知ったのは発表から一時間ほどあとのことでしたが、twitter上ではすでに親分一色。このうえない一日となりました。というわけで!行くぞ!

 ラインハット城の執務室には、天井まであるガラス窓から夏の日差しが入り、風が繰り返しカーテンをゆすっていた。
 執務室の奥にある大きなデスクの前に一人の貴公子が座り、羽ペンにインクをつけて目の前の羊皮紙にさらさらと書きこんでいた。
 口元にかすかな微笑みが浮かんでいる。
「“国王デール殿”、と」
と書きながら彼はつぶやいた。
「“このたび下記のとおりに出張いたしますので、ここにお届けいたします。なお出張経費は別添の出張経費見積書をご参照ください”」
くくくく、と忍び笑いがもれた。
「ヘンリーさま?」
秘書がけげんそうな顔をした。
「なんでもねえよ。あっちいってろ」
そう言うと出張申請書を書き続けた。
「“出張先、『ドラゴンクエストライバルズエース』。出張期間、2020年8月より相当期間。同行者”は、ええと」
片手に持ったメモをちらりと見た。
「“引率は商人トルネコ殿、同行、サマルトリアの王子殿下他多数”。出発と帰社予定は」
書類の項目を埋めていく顔が、明らかに浮き浮きしていた。
「“出張目的、バトル及びヒーローのサポート”。こんなもんかな」
 大きな文鎮で書類をデスクの天板に固定すると、ヘンリーはさっと立ち上がった。
「ヘンリーさま、どちらへ」
すでに扉をくぐりながら、ヘンリーは背後に向かって片手をあげた。
「ちょっとでかけてくる」
 その背中に、廊下から誰かが声をかけた。
「お出かけになるのですか?」
くるりとヘンリーは振り向いた。
「マリア!」
ヘンリーは恋女房の手を取ると、指の先端にキスを落とした。
「出張してくる。みやげを期待しててくれ」
はい、とマリアはうなずいた。
「気をつけて行っていらっしゃいませ」
「ありがとな」
きゅっとマリアを抱きしめ、名残惜しそうに髪の匂いをかぐと、ゆっくり手を放した。そのまま踵を返そうとして、あ、とつぶやいた。
「忘れものだ!」
そう言うとオフィスへ取って返し、ペンを取って書類に何か書きこんだ。
「じゃ行ってくる」
もう一度妻に笑顔を向け、たったっと歩き出した。
 マリアはその背を見送り、ふと執務室へ入った。デスクの上には、ヘンリーが残した出張申請書がある。その一番下に、ヘンリーの残した“忘れもの”があった。
「“報告事項。相棒が来たら、先に行ったって伝えてくれ!”」

これで5主までライバルズに来てくれて肩を並べて戦ってくれたら、とんぼは狂います。でも今の時点で幸せだ~。は~、十分に幸せだ~。一日でこれほどたくさんの親分拝めるのは、まったくもってレアだと思います。問題は、とんぼがカードバトルなんてやったことないという点です。とんぼの持っているSwitchでなんとかプレイできそうなんですが、少し解説見ただけでも複雑すぎる……。でも、きっと、なんとかなる。なんとかいたします。

それからもうひとつ、今日はすてきなことがありました。6/27の日記で言及した「指ぱっちん」のヘンリーのアイディア元、cez様からお手紙をいただき、そこに5主ヘンリー組のイラストが添えてありました。お酒飲めないヘンリーの前から5主が酒のグラスをさっと取って代わりに煙草をくわえさせるシーン。その手の動き、目線の向き、表情等々、とんぼの脳内をいつ見たのという正確さで描かれてます。見たとたん、きゃあぁぁとつぶやいて、目が離せませんでした。お手紙そのものも、ほんとに闇夜の灯のような輝きでした。あとでお礼を言ってきます。今日一日で、とんぼはラックを使い果たしたのじゃないかしら。

拍手御礼(8/4)

>「クレイモランの白鳥」を~の方、お返事が遅くなりましてすみません。あの作品は、とんぼよによる「ホメロスのかっこよさリスト」の一端です。頭脳派にして剣士と呼んでいただきまして、我が意を得たと思いました。この次はぜひ海戦で活躍するホメロスを書いてみたいのですが、資料を集めれば集めるほど難しくて頭を抱えています。でも「かっこいいリスト」に入れたい場面はまだたくさんあって、なんとかホメロスのお話をもう一度形にしたいです。嬉しいコメントをいただきました。ありがとうございました。

DQ小説同盟感謝祭、始まりました。(8/3)

先月のこと、当サイトがお世話になっていた「DQ小説同盟」が閉鎖になると言うお知らせがありました。2003年にスタートして、今年で十七年になると言う老舗同盟でした。寂しいことですが、これも時の流れで仕方ないと思い、感謝の御挨拶を差し上げました。

それが、八月に入り、有志による「DQ小説同盟感謝祭」が行われると言う告知がありました。とんぼもぜひ参加したいと思いまして、先日“まぜてください”とお願いしてきました。本日「DQ小説同盟との出会い」という一文を書いてアップしました。つい、この日記を書いているような気安さで綴りましたが、感謝の念だけは本物です。このあと感謝祭さまへ「書きました」と報告してくるつもりです。

追記:8/2は、無観客ドラクエコンサートを楽しんできました。ロト編がテーマで、好きな曲がたくさん聞けてうれしかったです。来週は天空編ですよ!今から血が沸きたっております。

ラインハットの日(7/18)

先日の、と言っても、ほぼひと月前になりますが、ようするに↓の書き込みの中にある「指ぱっちんヘンリー」、アイディア元さまから無事に許可をいただきました。うれしいですっ。この原稿を活かすためにも、早く進めなきゃ、と思っています。

この日記をご覧の方のなかに、「ラインハットの日」をご存知の方はいらっしゃいますか?八月の十日なのですが、8/10のうち、/を“ライン”と読み、810で“ハット”にした、言葉遊びです。twitter上でにこやま@niko__yama さんとなおかた@naoqat_dq さんがすてきな告知を出してくださいました。こういうのは楽しいなあ。とんぼもなんかやりたくて、今から考えています。とんぼの住む関東は今のところ気温が低めですが、八月なら暑くなっているかも。一家の涼みネタはどうですかね。

指ぱっちん(6/27)

 先日この日記で5二次のプランを出したところ、なんと拍手をいただきました。見てくれる人がいる、というのは最高のモチベーションです、ありがとうございます。で、昨日なのですが、twitterでとある方がこんな話をしてくれました。指を鳴らして酒場のおじちゃんの煙草に火をつけるヘンリー、というネタです。情報収集のための会話の糸口だそうなのですが、読んで「ありそ~」と思いました。
 ひと晩たったら、とんぼの脳内でこんなシーンに化けていました。

 午後の半ばで、空はもう暗くなっていた。
 宿屋の女将は女中に言いつけた。
「外に出してるイスとテーブル、しまっちまいな。ひと雨来るよ。おまえさん、暖炉の火をかきたてておくれ。飯の支度はどうだい?簡単なもんでいいから準備しとくれ。客室のベッドはちゃんとしてるんだろうね。食堂も掃除するんだよっ」
 女中に料理人に夫まで含めて女将が次々と指示を出すうちに、ついに空が泣きだした。かなりの号泣で、街道の向こうの森からあわてた旅人たちが走ってきた。
「雨宿り、いかがです?はいはい、お早いお着きで。団体様ご案内!」
あっという間に街道沿いの小さな宿屋は客でいっぱいになった。
「ひでぇめにあった」
「夜まで持つかと思ったのによぉ」
 宿の食堂兼酒場は混みあってきた。
「こちら、ご相席よろしいですか?」
女中が隅の丸テーブルの客にたずねた。そこにいたのは、二人だった。一人は緑の髪の旅人で、もう若造という年ではないが、悪ガキのように目をキラキラさせている。衣服はよくある旅人のそれで、腰に剣を帯びていた。
「かまわないよな、ルーク?」
もう一人はその連れだった。紫のマントとターバンを身に着けた背の高い男で、テルパドール人のような黒髪と涼し気なまなざしの持ち主だった。
「もちろん」
 女中は次々と客を案内してきた。どれも酒を一杯注文して席に着き、手持ちの布で濡れた髪をぬぐってひと息ついているようだった。
「やっと落ち着いた……」
「このあたりじゃ、この季節にときどきこんな雨が降るんだ」
後から来た旅人の一人が肩をすくめた。
「そうか。おかげで、荷がダメになりそうでハラハラしたぜ」
どうやら、旅人は商人のようだった。
「荷はなんだい」
「煙草だよ」
「おや、景気はどうよ」
へっへ、と煙草商人は笑った。
「サラボナはお目の高い旦那衆が多くてね。こういうもんは持ち込めば持ち込んだだけ売れるのさ」
いいなあ、と声が上がった。気をよくした商人は、サンプルを取りだした。
「こいつをサラボナの工房へ持ち込んで、葉巻に巻いたり刻んで紙巻にしたりして売るんだよ。できあがりがこいつだ。一本どうだい?お近づきに」
こりゃどうも、悪いな、などと言いながら、居合わせた客たちは煙草をくわえた。
「誰か火を持ってねえか?」
一人が火打石を取りだしたが、にわか雨にやられたのか、なかなか火花は飛ばなかった。
 ぱち、と誰かが指を鳴らした。
 とたんに一本の煙草の先端がほんのり赤くなり、薄く煙が出た。
 えっ、えっ?と声を上げてそのテーブルの客たちはきょろきょろした。
「ヘンリー、いきなりやったらびっくりするよ?」
ターバンの旅人、ルークが連れにそう言っていた。ヘンリーと呼ばれた旅人はくすくす笑った。
「そうだな、悪い、悪い」
 煙草商人をはじめ、客たちはそろってテーブルの奥の方を見た。
「今の火の……あんた、魔法使いか?」
ヘンリーは笑いながら手を振った。
「手品だよ、決まってるだろ?さあ、お代は見てのお帰りだ、もう一丁!」
そう言うと、もう一人の客の煙草を指さし、また指を鳴らした。極小の火の玉がまっすぐ飛んで、男の煙草に火をつけた。
「すげえな!」
「どうやったんだ?」
男たちは、手品のタネを探して紙巻きたばこを調べていたが、お手上げのようだった。
 ふふ、とルークが笑い、小声で話しかけた。
「ヘンリーったら、ずっと城暮らしで練習不足とか言って、今の凄いじゃないか」
「何が」
「メラだよ。ものすごく効果範囲を絞って針ほど収束させたメラだよね、あれは」
ヘンリーはにやりとした。
「退屈しのぎにどこまでピンポイントにできるか、前に試してみたんだ。実戦で使えるわけじゃない」
「そうかい?君ならいろいろできると思うけどね」
 さきほどの煙草商人は、上機嫌だった。
「あんたたちには、おもしろいもん見せてもらったな!これは火の礼だよ」
煙草商人は、ルークに紙巻きたばこを差し出した。
「ほら、あんたにはこれだ」
ヘンリーには、酒を注ぎなおしたグラスだった。一瞬、ヘンリーは固まった。
「あ、逆にしてもいいですか?」
一度唇にはさんだ煙草を取ってルークはヘンリーに渡し、グラスを受け取った。
「あんた、酒は苦手かい?」
「ああ、その、煙草の方が好きでね。なあ、皆さん方、サラボナで商売してるんだろ?俺と相棒はこれからサラボナへ行くつもりなんだ。今のようすをちょっと教えてくれないか。景気とか、流行ってるものとか、どんなうわさがあるかとか」
「そんなことでいいなら何でも聞いてくれ」
結局雨があがるまで、男たちは口々にサラボナの話をすることになった。とりとめもない話が多かったがルドマン一家の話になると、他の客も喰いついて来た。この地方では、ルドマン家と言えばほとんど王族に近かった。

 これ、5主とヘンリーの二人旅のシーンに使えるかも。使いたい。使っていいかな?あとでtwitter行って、使用許可のお願いをしてきます。なんか楽しくなってきた。

生存報告(6/21)

この日記もたいへんお久しぶりなことになりました。とんぼは生きてます。充電期間と言いつつ、二次創作に関しては迷走期間をやっていました。今、メインで取り掛かっているのは、ヘンリーと5主のお話です。タイムリミットを21年1月と規定して、そこから逆算して今からやらなきゃ、と焦りだしています。

最初は何を書いていいかわからなかった……けど、DQ5の原点に返ってこれは三世代のお話なんだと意識したら、こんな情景が頭に浮かんできました。双子とコリンズの三人で子供だけの旅路。5主とヘンリーだけの旅慣れた道中。若き日のパパスと、ヘンリーの父と設定したキャラがとある小島で冒険をするシーン。その三つをつなぐ何かを今、一生懸命探しています。ラストシーンとして考えているものは二三ありますが、全体として何かの謎が明かされる、すかっとした終わり方になるといいなと思っています。

ここまで時間をとってるのは、今年の秋にダイの大冒険の新しいアニメやるはずなので、絶対その前後には原稿書けないと思いまして。ダイ大好きな相棒が先日以来興奮しております。とんぼもとても楽しみです。

お姉ちゃん属性(5/16)

DQ11S二次「ラムダの祈り」最終話をアップしました。「ラムダ~」は、本当はラムダの里を舞台に姉妹とファナード長老そのほかの皆さんが出てくるお話になるはずだったのですが、うまく書けずに三年くらい滞っていました。それが動き出したのはDQ11Sになって追加されたストーリーのおかげです。新生「ラムダ~」は、グレイグとホメロスの追加ストーリー、特にその終盤の双頭の鷲の鎧にヒントをもらいました。セーニャにとってベロニカの杖はあの鎧のようなものだったのではないかと思ったのがこのお話のきっかけです。そのためにホメロスの役割が物語進行役を越え、比重が重くなりました。

双賢の姉妹と双頭の鷲、それぞれがだぶって見えるため、こんなことを考えたました。ひょっとしてホメロスの目にはグレイグが、セーニャのようなものと見えているのじゃないでしょうか。ホメロスとベロニカが兄/姉属性、グレイグとセーニャが弟/妹属性という区分けです。で、ベロニカの目にもグレイグが、やはり同じようにどこか危なっかしくて鈍感でそのくせ甘ったれで、こちらが口を酸っぱくして説教してもあまり通じない、おまけに目を放すとすぐムチャをやらかす……それでもなお、愛しい、愛すべき存在、のように見えているのではないかなと思いました。

DQ11二次では、あとソルティコを舞台にした現パロを考えていますがまだ予習中です。シルビアのサーカスのシーンを現パロで書きたいのですが、演目の一つ一つにシルビアさんの連携技の名前をつけたくてたまりません。ローズハリケーンなんてたぶんステージに薔薇の生花が乱舞すると思います。演目名、内容、衣装、音楽、共演者とか、本筋ふっとばしてそのへんが楽しくてしかたないです。勇者を主人公にした「諦めざる者」はひどい停滞中。これはきっかけ待ちです。それから「クレイモランの白鳥」を書いたとき次は海戦を戦う騎士ホメロスやりたいと思いました。ネット上で博識な方からすばらしいヒントをいただいたので、ネイビーホメロスにもトライしようと思います。ちなみにそのヒントは、とんぼが自作に流用してよいと先にお許しをいただきました。問題はこれこそ予習にすごい時間がかかるということですね。愛用している図書館が閉鎖中なのでやりにくいです。コロナ騒ぎが早く収まるといいなと思っています。

あつまれオラクルベリー(5/11)

4/26の書き込みにある通り、DQB2内で造った「サンタローズ」、「海辺の修道院」、「サラボナ」を人形サイトのDQBの項目内に追加しました。あと、DQB2版のラインハット城外観を「ラインハット」のページに付け加えています。たぶん、またほかのを造りたくなると思いますが、とりあえず3ページできましたのでアップです。やってる間は単純作業も多く目がとにかく疲れます。が、仕上がってみるとまた何か作りたい、と思ってしまう。ビルドの魔力ですね。

ネット上で、「あつまれどうぶつの森」でオラクルベリーを造る方をお見かけしました。凄いわ……。とんぼはこのオラクルベリーとルラフェンで挫折しています。もうちょっと技術を磨いたら再チャレンジしたいです。というわけで、御用とお急ぎでない方はどうぞ見てやってください。トップページからおいでいただけます。

ねつ造多いです(5/6)

DQ11S二次「ラムダの祈り」第六話をアップしました。とんぼが「ラムダの祈り」の目次に列挙した疑問点の答えは、以下のような感じになるでしょうか。ベロニカはあのとき何が起こるかを夢見のチカラで事前に知っていた、ラムダ姉妹とセニカの間には血のつながりはないが、三人とも命の大樹がラムダの里へ遣わした光の滴である、ベロニカはセニカの笛を吹けるが、吹くべき時が来るまでは吹けないふりをしている。付け加えるなら、大樹の墜落で滅んだはずのセニカの笛が無事だったのは事前に大聖堂へ流されていたため。もちろんすべて、とんぼのねつ造設定です。

さて、次回は最終回となります。最後はベロニカさんの歯切れのいいタンカで派手に打ちあげたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

メイキング・サラボナ(4/26)

DQ11S二次「ラムダの祈り」第五話をアップしました。第六話はアレなんで、次回予告はサンプルなしにしました。鬱なお話で、まことにすいません。

せっかくの日記なので、明るめのお話しでも。先日、好きなゲーム「ドラゴンクエストビルダーズ2」でDQ5内の海辺の修道院を造ってそのスクリーンショットをアップしたところ、twitter上でかまってもらって悦に入っていました。その流れでサラボナを作ろうと思い立ちまして、このごろせっせとブロックを積んでいます。あかの開拓地にある大きなオアシスの半分をつぶして町を作り、オアシスのほとりにルドマン邸を、オアシス内に小島をつくってその上に別荘を建てることにしました。整地を進め、土台を置いた辺りでふと気が付きました。サラボナの見張りの塔がない。仕方がないので、助っ人を頼んでオアシスの海側をさえぎる岩山を豪快にぶち抜いて敷地を確保しました。……ステイホーム、とんぼはけっこう楽しいです。(需要があるかどうかわかりませんが、サラボナのスクショをtwitterに上げる予定です。そのうち当サイトへ画像を収容するかもです。)

横流し(4/16)

DQ11S二次「ラムダの祈り」第四話をアップしました。作中のデンダ戦で勇者イレブンの描写がおかしくなってますが、これは古い原稿の名残です。以前DQ11二次として「シャドウアタック」以下勇者二重人格説を展開していたのですが、デンダ戦はその時に書き留めたものを流用しました。このダブル勇者説はDQ11二次全体の締めくくりに使おうと思っていたのですが、なかなか進展しませんでそのままになっているものです。デンダ戦で普通の勇者でいってもよかったんですが、ついダブル勇者説に未練があり、こんなふうになりました。第五話ではサマディー編がでてきますが、こちらでは初めて書いたDQ11二次「アクロバットスター」の冒頭をそのまま使っています。このあいだ目次を眺めて、DQ11二次、意外といっぱい書いてるなと思いました。

ちょっとここ、ほこりがたまっていてよ?(4/6)

DQ11S二次「ラムダの祈り」第三話をアップしました。16歳のベロニカさんはゲーム本編ではほとんど出てこないのですが、今回は居酒屋のシーンを想像で書いてます。映画ユアストに登場の、女冒険者ビアンカのイメージが多少入っているかもしれません。押しも押されもしない堂々たる旅人です。というか、セーニャがアタマから依存するくらいの貫録の持ち主じゃないと、あとのセーニャの独白につながらないものでこんなんなりました。次回予告にも書きましたが、「追いかけられるのはどんな気分だった?」⇒「しりぬぐいはお前の役目」⇒「風の魔法だけは使えないのだな」と、ホメロスさんがうれしそうにいびってます。いつぞやこのひとをマルチェロとかセフィロスに比べたことがあったのですが、こういう理詰めでネチネチ責めるキャラを、とんぼはけっこう好きかもしれないと思ってしまいました。

居酒屋メニュー(3/26)

DQ11S二次「ラムダの祈り」第二話をアップしました。今回のラストから次回にかけてホムラ編です。ゲーム本編によれば、姉妹は居酒屋を一度訪れているはず。そのシーンを書くために、居酒屋での食事風景を設定しようとして居酒屋メニューを研究していました。時代考証まるまる無視でじゃがのチーズ焼きとか温玉サラダとか書いてます。これがすごく楽しくて、ついでに本棚にあるコミックの「居酒屋のぶ」を読みなおして喜んでました。

⇓で、ラムダ編は長老の回想だけになったとか書いてますが、今回の長老の一部の回想のもとになったお話を日記に置いといていいでしょうか。しつこくてすいません。

 幾百幾千の緑の葉がびっしりと枝を覆っている。枝はまた太い枝から無数に別れ、枝先を伸ばしている。樹冠はぎっしりと厚みを帯びた緑の半球となり、その下に太い幹と八方へ広がる根があった。その巨大な樹は、悠々と空中に浮かんでいた。
 一羽の鳥が風に乗って大樹の浮かぶ高みまで飛んできた。まだ若いその鳥は、堂々たる枝のひとつに止まろうと空中で羽ばたき、カギ爪をのばしかけた。大樹の中で何かがきらりと輝いた。鳥は弾かれたように飛び上がり、また翼を広げて飛び去った。
 きらり、きらりと大樹の魂は豊かな陽光を受けて輝いていた。
その輝きが一瞬、ぶれた。
 一滴の光の滴が枝の間からこぼれ、遙か下方へと落ちていく。命の大樹から溢れほとばしる清らかな滝をかすめ、六つのオーブの祭壇を素通りし、光の滴は空中を走った。風雨にさらされて白くなった女賢者の立像を、光の滴は斜めによぎってなお落下した。
――あれは、賢者の像……ということは。
その下にあるのは小さな森だった。中央に抜きんでて大きな老木がある。光の滴は安堵したかのように勢いを失い、老木めがけ、最後の落下を開始した。

 履きなれたサンダルのひもを結ぶのさえもどかしく、ラムダの長老ファナードは自宅を出た。ラムダの大聖堂からは、当番が衝く鐘の音が聞こえてきた。
 天気のいい、清々しい朝だった。
「長老さま、おはようございます」
里の中央にある円形広場にさしかかったとき、かっぷくのいい中年女が屋台から話しかけてきた。屋台の前には里人が列を作っている。紫の縁どりのある白い服は、ラムダの里人が好んで身に着けるものだった。
「うむ、おはよう」
「そんなにおいそぎで、どちらへ?」
彼女は里のパン屋の女将だった。人のいい正直者だが、一度話し始めると止まらないというクセがあった。
「いや、その、な」
「お急ぎでないなら、うちでさきほど焼いたパンをおためしくださいな。今日はカリカリによく焼き上がって」
ファナードはあわてて片手を突きだした。
「いや、本当に急いでおるんじゃ。静寂の森でわしのことを待っている者がおってな」
パン屋の客たち、里の若い夫婦、子だくさんの主婦、高齢の母親と暮らす職人等がいっせいにざわついた。
「え、どなたが?」
ファナードは迷ったが、時間の方が惜しかった。
「誰かはわからんのじゃ。だが、間違いなく誰かおる。夜明けのころ、夢で見たのじゃよ」
たいていの村なら、こんなことを言えばバカにしていると思われることだろう。だがラムダでは違った。パン屋の女将も客たちも真顔になった。
「ま、お勤めのお邪魔をいたしました。どうぞお通り下さいな」
「申し訳ない」
そう言ってファナードは先を急ぎ、広場の端の階段をとんとん降りて行った。彼の背後では、焼きたてのパンを配りながら彼女が客たちに興奮してしゃべりまくるだろうということはわかっていた。
 ファナードは“夢見”だった。この聖地ラムダに、数世代に一度現れる予知能力者である。その予知は必ず眠っているときに夢という形で現れる。一説には、夢見の力は天空に住まう者たちからラムダの里人に与えられた能力だという。
 その説の真偽はとにかく、ファナードは急いでいた。ファナードには確信があった。どこからこの夢見の力をラムダの者が与えられたのかは知らないが、それは間違いなく今静寂の森で自分を待つ者のために違いない、と。

 静寂の森は聖地ラムダを取り巻く大森林の一部だった。もともとラムダは、神話時代の勇者ローシュとその一行を支えるために人々が俗塵をまぬがれた高地に造った村だった。ロトゼタシアを縦横に走る街道からは、かなり離れている。ゼーランダ山の険しい山道を越えなければたどり着けないようになっていた。
 高山の樹木や草木が残るラムダ郊外に、静寂の森はある。なぜこの森がこのように取り残されているのか、今では知る者もいない。ファナードは静まり返った森の中をひたすら急いだ。
 森の中央の老木が見えてきた。夢で見た光の滴が最後に落ちたのはたしかこの樹、そう思いながらファナードは近寄った。
 梢の間を見上げてファナードは息を呑んだ。命の大樹の大きさに比べて光の滴、と見えたものは、実際はかなり大きな球体だった。それは、どことなくリンゴに似た大きな果実だった。
 光り輝く果実は枝と枝の間に引っかかっている。ファナードは懸命に爪先立ち、手を伸ばしてそれに触れようとした。
 光るリンゴが一段と輝いた。同時に枝の間から落ちてきた。
 あわてて差し出したファナードの手を果実はすりぬけた。触感すらない。あっと思った時、光の果実は草地に着地した。
 ファナードは寝起きの目をこすった。果実は膨らみ始めた。それから卵のように長めの球体になり、真ん中がくびれ、次第に二つに分かれようとしている。そして光が薄れていくにつれておおまかな人の形になってきた。頭部の大きな、せいぜい三頭身のその身体は、赤ん坊のように見えた。
「なんと!」
ファナードがこすった目を再び見張ったときにはもう、生まれたばかりの赤子が二人、老木の下の草むらにうずくまっていた。
 煌めきは消え、わずかに残った光は色白の肌を覆う金の産毛になった。身体に比べて大きく見える頭にもぽしゃぽしゃと金髪が生えている。それは完全なヒトの新生児だった。作り物のような爪のある細い五指をにぎりしめ、膝を折り、身体を丸め、二人の赤子はまだ開かぬ目のまま、か細い声で泣き始めた。
「ほあぁ、おあぁ」
ファナードは、上空を見上げた。賢者セニカの立像の上空に、命の大樹が浮かんでいる。
 ファナードは深くうなずいた。子供たちが何者なのかはわからないが、命の大樹から直々に与えられたのは確かだった。ファナードは上着を脱いでそのなかに赤子二人をくるみこんで抱え上げた。
「確かにお預かりいたしましたぞ」
 ふとファナードは気付いた。赤子の並んでいた草地の横に、木の枝が落ちている。あの光るリンゴのヘタについていた枝らしかった。それはまぎれもなく、命の大樹の枝だった。
 ファナードの若い頃、ラムダの里には“命の大樹の枝”と呼ばれるものが代々伝えられていた。それは何とも美しい虹色に輝く枝で、見るからに神聖な気配を漂わせていたという。だが、当時の里の長が、長の息子を病から助けてくれた旅人たちに虹色の枝を礼として渡してしまい、今は行方不明となっていた。
 長さまも大胆なことをしたものだ、と若いファナードは思った。里長自身は後悔していないと公言していた。そうすべきだと、夢の中で告げられたのだと彼は言い張った。
 ファナードは細い枝を眺めた。よく見ればその枝はまだかすかに虹色の輝きを残していた。命の大樹の一部であったことは間違いない。
 片手で赤子を抱きなおし、ファナードは腰をかがめて枝を拾い上げた。
 命の大樹の魂が、きらりと輝いたような気がした。

 ファナードは、ひよひよと泣く二人の赤ん坊を抱え、静寂の森をおっかなびっくり歩いていた。
「大樹さま、独身の老神官にはちと、むごうございますよ」
そうぼやいたが、とりあえず子供たちを安全なところへ連れていかなくてはならない。ファナードは汗だくだった。
「長老さま!どうなさいました?」
顔を上げると、ラムダの里人が数名、森と里の境の階段にいた。あのパン屋の女将と客たちだった。
「ど、どなたか、赤子を受け取ってはいただけまいか」
里人たちは、赤子の泣き声に気づいたようだった。
「まあ、これは!」
客の中にいた若い夫婦が小走りにやってきて赤子を一人ずつ抱き取ってくれた。
「まあ、可愛い」
若夫婦の妻の方は赤子の顔をのぞきこんで、とろけそうになっていた。彼女、アニスが、夫のディルとの間になかなか子供を授からずに悩んでいることをファナードは思い出した。
「おお、あくびをしたぞ?」
うれしそうに夫の方、ディルが言い、アニスと笑顔を交わしていた。
「長老さま、夢見はこの子たちでしたか!?」
パン屋の女将は半分驚いて、半分納得したような顔だった。
「ああ、うむ」
里人がファナードにたずねるような視線を投げてくる。ファナードは咳払いをした。
「この子たちは静寂の森の木のところでな」
光の果実が化けた、と言うわけにはいかないことにファナードは気がついた。自分の目で見たのでなければ、自分でも信じられない。下手なウワサがつきまとって子供たちが育つ障りになってもよくない。
「並んで泣いておったのじゃ」
ファナードは順繰りに里人たちの目をじっと見た。
「保護してはみたものの、年寄りの神官に子育ては難儀じゃ。しかも双子ではな。あとで寄り合いを開いて、里の衆のどこかに養い親を探そうと思うが、いかがじゃろう?」
この子たちをこの里で育てることは大前提だ、と言外にファナードは告げた。人々は口々に賛成してくれた。そして、アニスとディルはそれぞれ新生児を柔らかく抱きしめて、絶対に放さないという態度だった。

練習の成果(3/16)

DQ11S二次「ラムダの祈り」第一話をアップしました。実は、最初に書き始めた時はこの話、ラムダの里が舞台で、姉妹は生まれた時から16になるまでみたいな感じだったんです。ところが、小さなセーニャが初めてホイミを使うボイスドラマ「愛の木漏れ日」が公式に登場して、がらっと変わりました。ラムダ編はほとんどファナード長老の回想か言及のみになってます。最近、こんなんばっかだわ。

それと、第一話の終わりのほうで視点が長老になってます。長老が予知夢で勇者の危機を知るシーンですが、DQ11発売前のトレーラーを見て書いた「描写の練習」をごっそり使っています。あの時はこんなふうに二次に使うことになるとは思ってなかったんですが、練習はやっとくもんだと思いました。実はあの「描写の練習」、今でも時々pixivさんでいいねをいただくことがあります。発売前のあのワクワク感、今でもなつかしく思い出します。それと、前回の作品は更新ごとにpixivさんへ持っていったのですが、けっこうたいへんでした。十数年やってますが、自サイトでもpixivでも、とんぼはアップする作業が非常にヘタなんです。今回は二話とか三話まとまったら持っていこうと思ってます。ヘタレなとんぼのたわごとでした。

拍手御礼(3/10)

>DQ4のドール~の方、いらっしゃいませ。ドール関係のページを見てくださって嬉しいです。当時、4の皆さんにはノリノリで衣装を造っていました。今思い出しても、ああ充実してたなという気がします。閲覧ありがとうございました。

ラムダ始まります(3/7)

新作の予告と準備ページを作ってきました。ラムダ姉妹のお話で「ラムダの祈り」です。久々にれんけい技名のついた二次なんですが、やっぱり鬱は免れません。とんぼは時々、これでもか、というくらい鬱引きずったネタを書きたくなります。ただ、そう言うネタのときは、できるだけ読んでもらえるように丁寧に引っかかりを作るようにしています。以前、DQ2二次「デルコンダルの黒い旗」というこれまた暗いお話を書いたときは、民話の「わらしべ長者」のように一つの手がかりが次へつながるというのを繰り返しました。今回はホメロスとベロニカの会話と、姉妹がラムダの里を出てからの話が交互に来ます。そんな工夫で、できれば最後まで読んでいただけたら、と願っております。

ホントはもうちょっと早くアップしたかったのですが、来週いっぱいはいろいろと忙しいためにスタートは16日になりました。やる気はあるんです。どうかよろしくお願いいたします。

それはホメロスの罠だ(2/26)

DQ11S二次「クレイモランの白鳥」最終話をアップしました。このお話は最初書こうとしていたモノとはだいぶちがってしまいましたが、それでよかったと思っています。第一稿の痕跡は「奪われた記憶」というパートに残すことができたし、DQ11本編ではすっかり“詰めの甘い悪役”扱いだったホメロスさんはほんとは頭いいのよ?と主張できましたし。奪われた記憶4ではデルカダール王のもともとの構想としてグレイグが軍事、ホメロスが政治のトップに立って若きマルティナ女王を左右から支えるという未来図を描いています。ホメロスは官僚型の武将、ということならつまり石田三成みたいなもんかなとイメージしたのがこのネタのきっかけでした。「~白鳥」のラストで博識のクレイモラン王にそれっぽいこと言ってもらうつもりだったのですが、魔がさしてついその“軍師”を諸葛孔明まで格上げしてしまいました。そしたらどうでしょう、妙なネタが浮上しているではないですか。ネタというよりも1シーンのみで、グレイグが真顔でこう言うの、「待て、それはホメロスの罠だ!」。でもよく考えたら天空魔城に幻のベロニカが現れるシーンでグレイグさんはそんなことをすでに言ってたような気がします。けどこの一言、いつか使ってみたい。

DQ11二次、この次はベロニカとセーニャ姉妹のお話を考えています。初めてDQ11プレイした時から構想していたもので、仮タイトルは「ラムダの祈り」です。実に三年ほども書いては消し、書いては消しを繰り返した難物でした。姉妹の話の大枠として魔軍司令ホメロスと十六歳の乙女ベロニカの対話で進行します。

「魔王ウルノーガを甘く見るな」
ホメロスは言い放った。
「今のお前には還るべき命の大樹はない。冥土の入り口から奥へ進むことも出来ず、消えうせる運命なのだぞ」
「なんでもするわ、助けてちょうだい……なんて言うと思ってるの?」
十六歳の乙女は、若さからくる残酷さも露わに嘲笑した。
「リーズレットの言う通りアンタいい男だけど、でもバカよね」
「小娘の強がりも興ざめだな。話がすすまん」
それほど苛立ったようすもなく、ホメロスがつぶやいた。
「率直に言おう。ラムダのベロニカよ、魔王の軍門に下れ」
言下にベロニカは拒絶した。
「いやよ」
ホメロスは丸テーブルに片手の肘をつき、その手で自分の顎を支えてベロニカと視線を合わせた。
「おまえの妹に復讐したくはないか」
ベロニカが一瞬言葉に詰まった。その沈黙をどう受け取ったのか、ホメロスは言った。
「おまえは妹を妬み、憎んでいる」
ベロニカは一笑に付した。
「ふざけないでよ。あたしのどこにセーニャへの嫉妬があるというの?」
ホメロスは高い鼻の先からベロニカを見下した。
「自分の嫉妬心に気付いていないだけ、いや、気付かないふりをしているだけだ」
「お話にならないわね!」
ホメロスは秀麗な顔に冷たい笑みを浮かべた。
「おまえの嫉妬を白日の下に晒してやろう」
ベロニカは腕を組んでにらみつけた。
「存在しない嫉妬を、どうやって?」
「強情な娘だ。だが正直言ってお前の魔力は惜しい。魔力だけは、な」
ホメロスが丸テーブルの上を指さすと、そこに無骨な鉄色の頑丈な鎖が現れた。
「自分の嫉妬心を認めたら、おまえはこの鎖を首にかけ、我が軍門に下れ。新たな六軍王の一人となるのだ……そう、劫火軍王ベロニカとしておこうか」
ベロニカは腕を組んだまま魔軍司令を見上げた。
「たいした自信ね。いいわよ、やってごらん。でもできなかったら、アンタがその鎖を首にかけるのよ?」
「そのていどのリスクはあえて取ろう」
指で前髪をつまんで払いのけ、鷹揚にホメロスは言った。
 二人はほとんど同時に席を立った。
 白一色の世界が変質を始めた。突然足もとに石床が生まれてみるみるうちに広がり、世界は濃淡の磨いた石の市松模様となった。二人の間にあったテーブルの真下にぴしりと音を立ててひびが入った。ひびは亀裂になり、石床を割りながら長々と伸びていく。亀裂はやがてあぎとを広げ、小さなテーブルはその中に飲み込まれて見えなくなった。
 変質が終わった時、二人は楕円形の闘技場のような場所の両端の台座に立ち、睨みあっていた。

時間的には大樹の異変の直後からラムダの弔いの夜まで。回想シーンはホムラの里を中心に命の大樹まで。できるだけポイントをつまんだつもりですが、長くなりそうです。おまけにこの内容なんで、ウツ入ってます。それでもおつきあいくださる方がいらっしゃいましたら、どうかよろしくお願いいたします。そのうち予告を出すつもりです。

気分はれんけい(2/16)

DQ11S二次「クレイモランの白鳥」第五話をアップしました。途中に出てくるクレイモラン時代の回想で、ホメロス君15歳です。一人称が“ぼく”か“俺”か迷うところだったのですが、このあたりまで“ぼく”でいくことにしました。“俺”言うのはグレイグ相手だけかもしれません。第五話での近接戦闘ですが、基本的にグレイグのにおうだち作戦と同じです。惜しいかな、この二人の連携技は公式にはひとつもありませんが、気分だけれんけいということでお願いします。連載であと一話を残すだけ、というところまで来るといつも寂しさを感じるのですが、今回も例外ではありません。穢れなき白鳥は、今回でほぼ見納めです。最終話よろしくお願いします。

万能の天才(2/6)

DQ11S二次「クレイモランの白鳥」第四話をアップしました。ホメさんの使った戦略ですが、キモになるのはデルカコスタ平野から川沿いのデルカダール領へ続く両岸が崖になった小道です。あれがなかったら戦略はほとんど破綻します。たぶんあの小道は、プレイヤーがデルカコスタから川沿いへ進む時に時間を稼ぎ、その間に川沿いフィールドにモンスターその他を配置するための装置なのではないかと思っています。ダーハルーネの入り口のトンネルやクレイモランの長い桟橋も同じような理由で造られているのではないかと勘ぐっております。とにかくあの小道があったことで、おびき出し~矢でせん滅作戦が可能になりました。文中に出てくる「バリスタ」の名称は公式設定集から。あの巨大ボウガンのような機械は、投石機といっしょにデルカダール城の正門前に置いてあるので一度使いたいと狙っていました。今回登場してくれて満足してます。「8ポンド砲」の方はねつ造です。砲身からしてそんな感じかなと思ってただけですが、ちゃんと活躍してくれました。

これはとんぼの欲目なのですが、大砲やバリスタはもしかしたらクレイモラン古代図書館で設計図と運用方法を学んだホメロスがデルカダールへ知識を持ち帰って造らせた、というのはどうでしょうか。イメージはレオナルド・ダ・ビンチのオーパーツ的な設計図です。むしろモーゼフ王が設計図のことを知っていて、それを運用できる部隊を育てるためにホメロスをクレイモランへ派遣してたら、なんて、空想してみました。

それと1/26の日記でグ隊ホ隊とも「ざっと騎士百人、騎士以外百人強」とか書いてますが、騎士以外の兵卒は五百人と書きたかったところに脱字やらかしました、すいません。デルカダールにはもうちょっと規模の小さい隊がひとつかふたつあって、首都警察とか王城警備みたいなことをしてるかも。設定マニアの血が騒ぐのです、うるさくてごめんなさい。

次回はサイクロプスvs.若き双鷲。兵士から巨人を引き離すために、将軍自らサイクロプスを平原の真ん中へ連れ出して戦いを挑みます。ホメさんも行きます。考えてみれば、ホメロスは勉強も剣術・馬術も両方で一番になろうとしてたわけですよね。「エースで4番」みたいなもので、もともとムリめなんだと思います。だから彼はグレイグにかなわなくても当然なのよ……で、諦めつくようなキャラじゃないのでしょう。もっと気の毒なのは、この手の“どうしてもムリしてしまう男”というものがとんぼの大好物だという点ですね。お話はもうちょっと続きます。

拍手御礼(1/27)

昨日の書き込みの後、思いがけないほど拍手をいただいてしまいました。サイト誕生日おめ、みたいなもんかなと思って喜んでいます。昨今、個人の小説サイトなど化石に近いというのに、祝福してくださる人がいる。心からありがとうです。また一年、低空飛行でも飛んで行こうと思います。

>19年ですか~の方、いらっしゃいませ。なんとサイトできたてのころにブックマークしていただいたとか、長いおつきあいありがとうございます。トップページや掲示板のデザインでむやみに気張ったりした(黒)歴史をすべてご存知の方の前では、気取りも何もあったものではないです。今思うと気恥ずかしいですが、同時にかけがえのない思い出です。「とんぼワールド」と呼んでいただいて光栄です。ここは広大なドラクエワールドの片隅ですが、同じ妄想を共有してもらえたら、これ以上嬉しいことはありません。これからもよろしくお願いします。

追記:ご存知の方もいらっしゃると思いますが、1/26はDQ2発売記念日でもありました。昨日は33回目の記念日だったそうで、とんぼのタイムラインにはお祝い絵が次々と現れて、とんぼは一日ほくほくしていました。「クレイモラン~」三話のアップを終えた後、つい調子に乗って小話を書いてtwitterに上げてしまいました。タイトルは「記念日」。次のアップの時くらいに、いっしょに載せようかと思います。

追記2:昨日のPixivうんぬんの件ですが、「クレイモランの白鳥」1~3話をアップしてきました。同じお話を二か所で同時にアップすることになります。スルーも覚悟していたのですが、さきほど見に行ったらコメントもらっちゃってました!勇気出すといいことあるんだ、というお話でした。

しょぼいかも(1/26)

DQ11S二次「クレイモランの白鳥」第三話をアップしました。第三話、四話あたりまで、戦場でのお話となります。このあたりをつくるために、いろいろ参考書を読んで予習したのですが、正直知識を呑みこめたとは自分でも思えません。要するに、しょぼいかも。ホメロスさんが腕組みして「チッ」とか舌打ちしているのが聞こえそうです、すいません。たとえば、デルカダール王国軍って何人だと思います?ここからもうわかりませんでした。実はロトゼタシアは邪神様さえいなければ平和なんで、ヒトの国家間の戦争を想定できないんです。デルカダールは大国ですが、それほど多くの兵を養っておく意味がないかもしれない。だとすると、ホメロス隊、グレイグ隊は、いったい何人で構成されているんでしょ?……しょぼいかもと思ったのですが、ざっと騎士百人、騎士以外百人強、と考えてみました。でもって、強兵で鳴るグレイグ隊は重装騎兵(勇者とカミュを追いかけていた人たち)中心、知略で知られたホメロス隊にはいろんな種類の兵隊さんがいる、という想定です。とりあえず、次回戦場編です。よろしくお願いします。

後になりましたが、「クレイモランの白鳥」の連載を始めてから拍手をいただくことが多くなりました。モニターのこちら側から、そっと拝んでおります。ありがとうございます。

追記:その、ちょっとだけ。今日でこのサイト、十九年目を迎えます。2001年1/26、「王宮のトランペット」は始まりました。最近「個人サイトに作品を置いていても見てもらえない、ひきこもってないでpixivとか積極的に出していけ」というご意見を見かけて、自分、内向きだったかなと反省しました。もともとコミュ力のごく弱い方なのですが、少し勇気出していこうと思います。

生きるべきか死ぬべきか(1/16)

DQ11S二次「クレイモランの白鳥」第二話をアップしました。第一話第二話とも“奪われた記憶”なんていうものがはさまっていますが、ホメロスが回想していると思っていただけるとありがたいです。回想シーンは●のところで終わり、そこから通常の時間線でお話が進みます。今回と前回登場のクレイモランの伝統の件は思いっきりとんぼのねつ造です。単に国名からの連想です。ついでに言うと、シケスビア雪原という名前からシェイクスピアを連想したもんだから、ひところ頭の中がマクベスとかハムレットとかでごった返しておりました。デルカダールへもどってきてよかった。次からきな臭くなる予定です。

拍手御礼(1/7)

>ダイ再アニメ化~の方、いらっしゃいませ。ご指摘のシーンを探そうとして「ダイ大」開いたらあっという間に時間がたちました。とんぼの中でクロコダインさんは「クロノトリガー」のカエルと共に、男前爬虫類ツートップです。ダイやポップの成長、特に初期の大事な成長期にクロコダインさんがいて本当によかったと思います。ベスト、ではないかもしれないけど印象的なシーンは17巻の「そろそろつきあいも長いからな」でしょうか。小学校の学芸会のお話、ありがとうございます。日本中のいろいろなところにDQ好きは隠れ潜んでいる、と思うとうれしいですね。運動会でドラクエメロディ……想像して楽しんでおります。行進曲系だったり、徒競走でテンポの速いのつかったり、ダンスとかなら候補はたくさんありますし。楽しいコメントをありがとうございました。

あらためまして(1/6)

DQ11S二次「クレイモランの白鳥」第一話をアップしました。作中でデルカダール王がホメロスのふくふくほっぺをつまむとかなんとか書いてますが、あれは思いきり「とんぼがやってみたいこと」でした、すいません。言いわけはさておき、今回の私服ホメロスのためにpixivをひと回りして衣装眺めてきました。ホメさんがかっこよかったりかわいかったりで、とても楽しかったです。「クレイモランの白鳥」の次はベロニカさんのための二次「ラムダの祈り」の予定ですが、そのあと現パロを企んでおります。プランはいくつかありますが、ぱーっと派手でハッピーなお話が書けたらいいなと思っています。思うだけならタダだし。

今年は年末年始がいろいろともたつきましてすいませんでした。おかげでこの日記もやっと六日になって年が明けるていたらくです。昨年は春先から年末まで、親族内にちょっとした騒動がありまして、さまざまなことが押せ押せになりました。今年はもうちょっと良い展開になりそうです。正月休みには久々に、永年の相棒が来てオタ話をしてくれました。で、滞在中に「ダイ大」読破して帰っていきました。それと、嬉しいことにDQB1,2ともプレイしてくれたそうです。その感想もたっぷりと。Switch持ってるなら次は11Sだろ、と推しておきました。実は、某所からすてきな年賀状をいただきました。シュバリエスーツのシルビアさんが微笑みかけてくれるのですよ。大変に幸せです。そりゃもう、笑顔の伝道師がお見えですから、今年はきっと上向きでいけると信じてます。