力なき正義(3/21)
――正義なき力が無力であるのと同時に力なき正義もまた無力なのですよ。
力なき正義もまた無力、とは。
ロカを失うままに無為に歳月を過ごした自分のことだったのですか、先生……?
19日に獄炎最新話でロカの死亡が確定したためちょっとへこみぎみのとんぼです。同じ日からyoutubeで橙の配信がありました。69-70話で、それぞれアルビナス戦とシグマ戦がメインでした。アルビナス戦は美女対美少女の華やかな戦闘シーンでした。サババで登場してからここまであまり感情をあらわにせず超然とした言動のアルビナスが、一転して狂気に近い熱情と最強の駒の実力でマァムを追い詰めていきます。そもそもアルビナスが要求しているのは、すべて私の思い通りになれ=さっさと死ね。それに対してマァムは武装で応じる。すなわち、私はあなたの思い通りにはならない、と。理不尽な強制に立ち向かう、マァムのりりしさを100%味わいました。
しかしアルビナスは依然として優勢でした。ただ手合わせでメタルフィストで一撃を加えた時、速さと硬さがあればオリハルコンを砕ける、という正解がすでに提示されています。正解は目の前にあるのに劣勢、それをどうくつがえすか。蜂の大群にも等しいオリハルコンボディのヒットアンドアウェイのなか、マァムはあおむけになって攻撃に体をさらします。ひとつタイミングをまちがえば死ぬという状況でのこの度胸。名勝負の名勝負たるゆえんです。
最初からアルビナスはマァムを見下していました。マァムがあおむけになったのをまったくいぶかることはありませんでした。結果として、マァムは巧妙に「女王」のプライドを利用した形です。結局スピードを保てなくなったアルビナスは猛虎破砕拳に敗れます。が、アルビナスはマァムを爆発の道ずれにしたり、ののしったりしていません。負けを認め、自分の代わりに見届けて、と後事を託します。アルビナスは最後まで女王として逝きました。悲哀の中に爽やかさのある、戦いの余韻でした。
次の70話がシグマ戦でした。アルビナスの敗北は彼女の言うようにマァムを侮ったことが原因でした。ところがシグマは最初から、ポップを侮ったりしないと宣言。最高にやりにくい、とポップも賞賛ともぼやきともつかない返事をしています。シグマの言動は独特だと思います。「使ってみたまえよ、メドローアとやらを」。きざったらしい、ある意味嫌味な口調でもあります。とんぼの知る中では、DQ8のマルチェロかDQ11のホメロスあたりの口調でしょうか。ただこれは悪役としてというより、ハドラー軍団の中でのキャラ立てとしてのきざ口調かもしれません。
さてここでもプロセスは継承されます。最初は劣勢(呪文使い対呪文返しなので)、正解(すきを見てメドローアで仕留める)は先に提出されている。それをめぐって互いに“化かしあい”が続きます。ですがこのシグマ戦にいやらしさが感じられないのは、ポップとシグマが互いに好意と敬意を示しあうからかもしれません。シグマ⇒ポップ「君は自分で言うよりはるかに恐ろしい男だ」、「見上げた根性だ」。ポップ⇒シグマ「あんたも今までの中で最高にやりにくい相手だぜ」、「あんたはけっこう尊敬できる相手だ」。覚醒ポップは卑下を交えず堂々とこれを言うことができるんです。生死を賭けた知略と演技でポップはシグマを下しますが、やはりシグマもポップに後を(+アイテムを)託してくれました。
このあとのポップの告白は、ダイとはまたちがう男の子らしさがありますよ。いっしょうけんめい言い訳がかわいい。告白に対するマァムの答えは実は「保留」ですが、マァム役の声優さんがマァムと言うキャラの人恋初めし初々しさ、真摯な性格を見事に描写してくれてうれしかったです。今回アニメ版を見返して思ったことですが、ポップがブラックロッドでシャハルの鏡をこじ開けて取り上げたシーン。距離があるにもかかわらずてこの原理を使ってます。ポップの腕力だけじゃなくて、魔法力を変換したパワーが乗っているのでは、と思いました。あとシグマは騎士のシンボル、馬上槍試合用の槍を持っています。彼の胸甲がシャハルの鏡だったことを考えると、この槍もなんらかの機能を持っている可能性もあるかも。
武器つながりでベルクスの件ですが。ロン・ベルクさんがベルクスの歴史を語ってくれました。一族の先祖が魔剣をつくる⇒戦士ライゼが魔剣を使用する⇒魔剣そのものが「ライゼ」を名乗る⇒次々と使い手を乗り換える、一方ベルク一族は代々魂を持った武器たちを殲滅することに励む、という理解でいいですかね。ダイの剣が魂を持ち、やがて自我を持って「ダイ」と名乗る、ような?ロン・ベルクさん、ハンマー振り回してましたね。いつの日か、ノヴァがあれをふるう日が来るのかなと思ったりしました。とりとめもなく書いてしまいました。69話観たとき、回想でアバン先生が幼いマァムを諭す名台詞が出てきました。このシーンを、獄炎で見ることになるのかと思うとどきどきします。『マァム編』楽しみにしようと思います。
笑う主人公たち(3/14)
特濃だった……。youtube配信の67-68話は、ダイ大らしさをたっぷり注いで凝縮したような回でした。
ポップが主人公してました。美しい光の柱のなか、一か所だけ暗くなっている。ここで底まで落ちないとこの後の上昇もないのはわかっているんですが、つらい。ひがみ、ねたみ、みっともなさをさらけだすポップ。彼にとって自分が“その他大勢”だということは、動かしがたい認識、強烈な確信。誰でもその確信を持っています。だからこのとき見ている者は、ポップに感情移入する。今逃げたらそのしるしはけして光らないわよ、とレオナが正解を出している。それに対して、かかとを光の輪から外へ出した時、確かにポップは笑うのです(@アニメ版)。場違い(だと信じ込んでいる)な自分自身を嘲笑う、悲しい笑いです。
ザボエラ&メルル、スタート。メルルは死の間際で、自分の気持ちを伝える勇気を発揮します。このときポップには「おれが好きなのはメルルだ」と言う選択肢もあったんですね。それをしなかった、とことん自分の気持ちを貫いたことが彼の勇気だと思います。「マァムが好きなんだよぉっ」のシーンのメルル、マァム、ともに、可愛いというか、すごく綺麗。すばらしい作画をしてくださったアニメスタッフに改めて感謝です。緑の光を後光のようにまとうメルルも美しい演出でした。
ハドラーが主人公してました。満身創痍の魔王が立ちはだかる。ダイ大のなかに確かに存在する、らしさ。それはたとえば処刑場の周囲に魔界のモンスターたちが現れた時のノヴァとクロコダインの会話です。自信満々で戦いに乗り出すより、こういう生死のかかったひりつくような覚悟がダイ大なのではないですかっ。そういう意味では、「オレたちゃ、壁だ!」も。ハドラーもまた、ダイの言うように“最後の命を懸けて自分自身の誇りのために戦おうとしている”状態です。
おもしろいことに、レオナは反対します。彼女は冷静な戦略家であり、ラストダンジョンの入り口で勇者に負傷させるわけにいかないことを理解しています。(ダイは確かに“甘い”のですが、この後でレオナは合流してきたポップたちにその甘さを肯定してくれます。)ダイは、ダイ自身の誇りにかけて挑戦を受けます。「……ありがたい」このとき確かにハドラーは笑うのです。ここからハドラーがおじさん語を炸裂させます。「大魔王バーンもとくと見よ!」から、「泣かせることを言うわ、ガキのくせに」。このとき確かに、ダイは笑う。
主人公が主人公してました!
〇まず二つの拳が、というより赤と青のオーラがぶつかりあう。(第43話で拳を交えたとき、ダイは紋章のある右手でブロックしてもふっとばされていましたが、今回は互角)
〇ハドラーがダイに上から殴りかかるがダイは飛びのいてのがれる。
〇急追するハドラーに、ダイは壁を蹴って飛び出して逆になぐりかかり、ハドラーをふっとばす。ハドラーは床をすべって態勢をたてなおす。
〇ダイは上空からキック。そのケリをよけて?逆にハドラーからダイへパンチ。ハドラーは(おそらく)両手を合わせた拳でダイを床へ叩き落す。
〇ダイは飛び上がって頭突き ハドラーはよろけるように後退するが踏みとどまる。
〇ダイはハドラーにとびかかってハドラーの巨体を宙に浮かせ、その下から腹部へパンチを何度もたたきこむ。
〇ハドラーがダイの両肩をとらえ、膝蹴りを入れる。ダイは足をふんばって踏みとどまる。
〇ここで距離を取って、再度オーラを高め合う。
コミックで確認したのですが、ダイvsハドラー戦は、始まった直後にアルビナス戦、シグマ戦に場面が代り、そのあとパーティが合流するまで出てきません。上のプロセスはアニメオリジナルですよね。言語なし、雄たけびが続く格闘シーンです。なれ合いナシ、手加減ナシでもハドラーとは格闘だけでは決着がつかない⇒新生アバンストラッシュの出番に続く、かつ、ダイはヘトヘトになるまで消耗する場面です。そうじゃないと、決死の大脱出の緊張感が薄れますから。ダイヤ9が、近づいている。
アップのご報告(3/8)
ダイ大系二次「三千万回の輪廻で、君と目が合う」、DQ5系二次「クレープのハニーソース」、二件アップしました。ちょっと慌てる事情がありまして、大急ぎのアップです。リンクもれなどありましたらすぐ直すつもりです。この年度末はアクシデントが多く、とんぼとしては作品を書けただけで満足です。出来は……まあ、いろいろ。取り急ぎご連絡まで。
鈍く、沈黙したまま(3/7)
youtubeの橙見てきました。ダメだダメだと思っていたらやっぱりダメだった、の残酷さ。ポップの修羅場継続中で、緊張はそろそろ頂点に達します。偶然、順番が最後になったため、他の四人が経過する間ドキドキが持続します。それまでの30時間+この四人分。そのあいだポップの心に「ダメさ」が蓄積していきます。先週、「来週の配信で爆発」とか書いてますが、もう一週のびたようです。これも辛いですね。その次回冒頭でポップは逃げ出すことになりますが、ポップを走らせる重圧がえぐいです。ミナカトールの順番が最後になったために、ポップのトライはザボエラの伏兵にかちあってしまいます。魔界のモンスターが大挙しておそってくる。そのために「急いで、ポップ!」とフローラに言われてしまいます。
そして、鈍く沈黙したままの”しるし”。ぎゅっとつぶった目をおそるおそる開き、仲間たちの驚いた顔に出会う。残酷なシーンです。「自分だけが、できない」。ジャンプ掲載当時の「ダイ大」読者は男子小中学生あたりがターゲットでしょうか。そういう子供たちが日常的に味わう可能性があるトラウマです。あと一週間、がんばれポップ、と祈るばかり。
ロン・ベルクvs.ミストバーンのシーンに、若いロン・ベルクさんが登場していました。この場面は大魔王の大魔王時代を見せてくれる唯一のシーンなのでアニメでもコミックでも何度も見返しましたが、今回とんぼがあらためて気づいたことがありました。大魔王バーンはロン・ベルクに剣士として味方になってほしいと申し出ます。ロン・ベルクがこのとき大魔王の誘いを受けていたら、魔軍司令ロン・ベルクが誕生していた可能性があるんじゃないですか。孤高の匠、職人肌のロン・ベルクさんに中間管理職は無理がありますが、クロコダインあたりとは気が合いそう、とか思いました。
さて、ずっと続けてきた橙共通タイトルお題ですが、第61回は「三千万回の輪廻で、君と目が合う」でした。先日投稿したのですが、諸事情により自サイトへのアップが遅くなっています。また3/8はDQ5のデボラのためのSSを準備中なので、出来上がったら二件まとめてアップしたいと思っています。よろしくお願いいたします。
拍手御礼(3/6)
>10年前~の方、おかえりなさい。この10年くらいで個人サイトはずいぶん減りましたが、とんぼはまだここで遊んでおります。それと今も「犬夜叉」は大好きです。あの和風の世界、美しさとおどろおどろしさがあいまってほんとに魅力的でした。「半妖の夜叉姫」は履修してないし、キャラの解釈とかフリーダムすぎるところがありますが、楽しんでもらえたら嬉しいです。応援の気持ち、確かにいただきました。こちらからも、脳内へこっそり応援させてください。(小説書くのは楽しいもんですよね……?)
物理的に美しい(2/28)
youtubeの橙見てきました。決戦前、きついプレッシャーの下でいろいろなものごとが進行していきます。ダイとノヴァの勇者コンビですが、男の子らしくてやんちゃでかわいい。ノヴァ君のあわて顔はかなり好きです。ノヴァと言えば、ロン・ベルクとの初顔合わせのときに「ぼくたちは命を懸けて」と言っています。そしてノヴァはロロイの谷でそれを実践してみせる。やっぱり彼は彼なりに勇者なのだと思います。さきほどのステートメントに対するロン・ベルクの答えが「命を懸けるだけでは勝てない」ですが、つまり「だからオレも戦う」ですよね。ロン・ベルクさん、いい人なんだ。
聖なる継承の場面はレオナの見せ場でした。レオナがただのおてんば姫ではないことを見せつけていました。強い女、って実はこういうものなんじゃないかなと思います。もう一人の強い女、マァムさんも今回すごかった。地下25階のモンスターは、ゴーレムにサイクロプス、シルバーデビル。あとの二種は、先日までさまよっていたロンダルキアでよくエンカウントしました。こういうモンスターをマァムは魔法なしでしかもソロで次々と討伐していく。ものすごい実力なんだと実感します。ちょっと前にダイのかまえは歌舞伎から来ている?などというトンデモなことを書いた覚えがありますが、マァムの動きはクラシックバレエとか、このあいだのオリンピックで見たフィギュアスケートのような快感がありますね。その動作が物理的に決まるので美しいのです。
さて前回の配信に引き続き、ポップの修羅場継続中。この夜の森で、ちゃんとマァムに相談できていたら。自分の弱みを打ち明ける勇気があったら、確実に彼のしるしは光っていただろうと思うのですけどね。ここで最初に、“おれ、なんも気にしてねぇよ”のような態度を取ってしまう。マァムの相談の中身がよりによってヒュンケルだったわけで、これはもう、どうしてもポップは素直になれない。
それを言ったら、師匠に相談する勇気があったらもしかしたら事情は変わっていたかもしれなかったのですが、マトリフが察してしまってポップが悩みを口にすることはできませんでした。できなかったのに、マトリフが最大の助言「自分を信じろ」をくれたのは、さすが師匠。もうひとりポップが相談する相手であるアバンは、この時点で死亡(と思われ)中。
ミナカトールのクライマックスまで用意周到にポップの道筋が縛られているのがわかります。来週の配信で爆発するように。
修羅場30時間(2/21)
youtubeの橙見てきました。61話、「獄炎」アニメ化ならトレーラーはこれでいいのでは。じゃなくて、フローラ姫を助けに飛び出した若きアバンのかっこかわいいにドキドキしました。私服だし、色白でいいとこの坊ちゃんふうだけど、一撃でマンイーターをぶった切る実力ですよ。
いよいよ魔王登場となったとき、意外にもヤングアバンは剣ではなくて呪文と体術中心でハドラーを迎撃しています。悪の道ひとすじの竜王ライクなハドラーさま、時々巻き舌の出るセリフ回しがいいなあ。一撃でドラゴンを沈める腕っぷしも。ハドラーはパンチとイオ系呪文ですが、アバンは蹴り技主体でした。いざイオラが放たれたとき、やっと剣を手にして、ロカの言う“あの光る剣”でイオラを弾き返します。(魔法って、物理的に質量があるの?とか思いますが、DQ世界ではあるんだと思います。つい最近、ハーゴン神殿でローレシアの王子が剣でたぶんメラゾーマを弾いたのを見ましたから)。
62話、ここからポップの修羅場30時間(=フローラ様の言う、処刑までの準備時間)がスタートです。ただの30時間じゃない、のるかそるかの大博打(ミナカトールが手に入るかどうか、またそれが奏功するか否か)という緊張状態でのド修羅場。ポップの「何か光らせる方法があるはずだ!」は正解なんだけど、焦りのせいかたどり着けない。ノヴァとダイの特訓シーン見ると、ダイの魂の力が勇気に見えるのはしかたないですよね。
修羅場がずっと続いているような気がしましたが、アニメ見返すとダンジョン攻略とアバストXの誕生にときどきはさまれるだけでした。それなのに、ポップの焦りと不安が伝わって来て胸に刺さります。それでこそミナカトール発動シーンは盛り上がるのですが……。ポップの、例の「おれだけが、ちがう!」みたいなコンプレックスと、フローラ様あたりに光らせる方法を素直に聞けない性格のために、五人の使徒のなかでここまで焦るのはポップだからこそ、というところがあります。「しるしが光らない!」という修羅場に他のキャラを投入しても、ここまでの感情ジェットコースターにならないと思うのです。そう言う意味でポップの独壇場です。30時間つきあいましょう、惚れたキャラですから。
もう一発、獄炎本編のほうの話もしていいですか?ついにベルクスが最期を迎えるようです。魔弓のヒヒいわく、「真の強者と力を合わせ両者の魂が響き合った一撃を繰り出すこと!それこそがベルクの武器の本懐だったのだ…」。これがなんとなくダイ大本編のロン・ベルクのいう「お前がもう一度最強の人間と最強の武器が合わさった姿を見せてくれるなら、それでいい」の別バージョンに見えるのです。「最強の人間と最強の武器が合わさった姿」。それをロン・ベルクは、一度見たことがあるわけです。台詞から察するに、ダイ+ダイの剣は二度目以後の“姿”のはずです。最初の姿、そのときの組み合わせは、魔族+武器ではなく、モンスター+武器でもなく、人間(最強)+武器であったわけで。そいつは誰だ?それがアバンだった、という可能性はありますでしょうか。名工本人も最後にご登場なので、来月当たり答え合わせをしてくれるかもしれません。最後にひとつだけ、アバンがあまり剣にこだわらず、市販品とか使う理由なんですが、「妙な武器に絡まれたくないから」という可能性もあるかなと思いました。
月夜の散歩(2/14)
youtubeのダイ大、59-60話見てきました。フローラさまは魅力的な大人の女性として登場します。直前までポップとマァムは、大魔王側に対しての勇者側の劣ったポイントを挙げていました。レオナでも元気づけられないほどの落ち込みでした。フローラは登場して開口一番、アバンの使徒なのでしょう、と指摘して励まします。実はポップのあげたポイントはまったく解決していません。それでもフローラは新しい視点(敗残者⇒アバンの使徒)をもたらして折れた心をたて直し、そのことでポップたちの気持ちをフラットに戻します。引け目さえなければ、ポップたちは自動的に対決モードに入っていきますから。
60話後半はとんぼの大好きなシーン「月夜の散歩」です。ポップが逃げ出したダイを説得する場面ですが、フローラと同じテクニックをポップが使っているのでは、と思いました。
ダイを発見して最初にポップがしたことは、泣いていてもいい、と肯定することでした。それからおだやかに話を続けます。ダイは、叱られる、という思いから、攻撃的に言い訳を並べます。バーンの強さ、自分の限界、信頼という名の強制。ポップはほとんど口をはさまずダイに問題点を語らせます。ほぼ出尽くした時点で、ポップは新しい視点をもちこみます。誰かに頼まれたからではなく、自分が許せないという気持ちでの戦いだ、と。
帰ってきたダイは兵士たちの前に立ちます。スピーチの前半は、テランの湖で語った言い訳とほぼ同じで、問題は解決していません。それでもダイはスピーチ後半で、自分の視点をもちこみます。「このままちからまかせに世界をふみにじろうとするあいつを、放っておくことはできないっ!」兵士たちの感情に訴えて満場の兵士やロモス部党大会のファイナリストたちの心を見事にまとめあげました。今回、つたないながらそのシーンを描写の練習として文章化しました。↑の解釈による主観的なものですが、よろしければご覧ください。
夜の湖の水面は静かに揺れていた。岸辺から湖の中央部へ細い石橋がかかり、その奥に円形の祭壇がある。祭壇の上には竜の石像があった。
「テランだったのか、ここは……」
石像の前に誰かがいた。
「竜の神さま!」
ダイは、思わずその場にしゃがみこんだ。
石像の前には竜の香炉があり、香煙をあげている。その両脇に二本のろうそく。香炉とろうそくの前に、テラン人らしい男の子が膝をつき、祈っていた。
「お願いします、勇者さまが大魔王を倒してくれますように」
ダイはかたわらの草むらに身を隠した。
「お願いします!」
ぎゅっと目を閉じて指を組み合わせ、一心に少年は祈っている。
「勇者さま!」
そのせつない祈りに耐えられず、ダイはつぶやいた。
「ごめん……ごめんよ。おれにはウンと言ってあげられない」
香炉の煙は、ただゆらゆらと夜空へ向かって漂っていく。
「その神様の使いが言ったんだ」
ダイは両手で頭をかかえ、木の根元に座り込み、辛さのあまり肩を震わせていた。
「大魔王バーンは、神よりも強いって」
男の子は祈りを終えると、身軽に走って村の方へ去っていった。その姿を、ダイは物陰から見送った。
「もう誰にも手が出せないって」
どすっと音を立ててダイは木の幹に拳をぶつけ、顔を伏せた。
「どうしたら……どうしたらいいんだっ……」
神に、竜に、勇者に向けられた絶大な信頼が、今ダイをうちのめしている。ダイは木の根元にうずくまって涙を流した。
声を殺してダイは泣いていた。テランの湖は、静かな波の音を響かせている。
「とりあえず、ゆっくり泣いていてもいいぜ」
ダイは目を見開いた。あたりがかすかに明るくなった。夜空の雲が流れ、金の三日月が姿を現したのだった。
ダイは身を起こしてふりむいた。テランの湖岸に、よく知った姿があった。
「ポップ」
怒っているのでもなく、さげすんでいるのでもなく、どこかへ誘いに来たかのように平然とポップは言った。
「つきあってやるよ。月夜の散歩も、たまにゃいいもんだ」
そう言って、ちょっと笑った。
(ここ、CM前アイキャッチはダイとアバンストラッシュ。このときサイレント。CM後のアイキャッチはサウンドありでポップとメドローア)
**********
竜の石像の周りには、もともと柱が立っていたらしい。今も途中で折れた柱が石像を取り巻いている。ダイは石像に背を向けて円形祭壇に座り込んでいた。ポップはあえてダイに近寄らず、祭壇の端に座っていた。
勢いをつけて小石を湖へ投じると、水音がして湖に波紋ができた。
「どうしておれがここにいるってわかったんだ」
へへっとポップは笑った。
「忘れてもらっちゃあ、困るぜ……おれはおまえと最初っから、デルムリン島からずっといっしょに冒険してきたんだ。つまり、おまえに行けておれに行けねえ場所は、ねえ。ルーラってのは、一度行った場所にしか行けねえんだからな」
ダイは黙ったままだった。
「それにさあ、まだ不慣れなころ、ルーラを使った時、思い出の場所に行っちまったことがあるんだ。マァムと初めて会った、魔の森さ」
不慣れとはいえ、ひどい着地だった、とポップはむしろ、なつかしく思い出していた。
「だから、おまえが無意識で飛び出たんだったら、そういうこともあるかって思ってよ」
またひとつ、湖に石を投げ込んだ。
竜の香炉の両脇のろうそくは、だいぶ短くなっている。香があたりに漂っていた。
「ここは、はじめてお前が親父さんに出会った場所だもんな」
その時の記憶をポップは思い返していた。
ダイがつぶやいた。
「怒んないのか」
「ん?」
こちらから見えるダイの手がふるえている。
「おれは」
ダイはポップに飛びかかりそうなほど詰め寄って叫んだ。
「おれは、逃げ出したんだぞ!みんなでもう一度がんばんなきゃいけないときに!」
こんなに頼りなげで不安そうなダイは見たことがない。ダイは不安のあまり、噛みつくように叫んだ。
「ヒュンケルやクロコダインが危ないって知っているのに!戦いから逃げたんだ!」
ダイはうつむいた。
「ポップはおれを叱りに来たんだろ。それでも勇者か……って。おくびょうものって」
ポップは思わず笑い声をあげた。
「バッカだなあ!」
右手を差し出してポップはすました顔でつづけた。
「おれがそんなことで他人を非難できっかよ」
座り直して胸を張り、腕を組んだ。
「言っちゃあなんだが、“逃げ出し”に関しちゃ、おれのが大先輩だぜ?」
はははは、と笑うポップを、ダイはただ見上げている。ポップは口調を改めた。
「誰もおまえを責められないよ。おまえは全力で戦った」
ダイはまたうつむき、うつむいたまま首を横に振った。
「親父さんを亡くし、武器を失っても」
ダイはイラついたようすで立ち上がり、ポップに背を向けた。その背中にポップは声をかけた。
「おまえは、よくやったさ」
「よくやったじゃ済まされないんだよ!」
怒りが闘気を呼び起こすのか、ダイの拳がふれた石柱は、砕け散った。
「こんなちからがあっても、大魔王にはまるで歯が立たなかった」
拳を握り締めてダイはそう言った。
「父さんを死なせ、みんなをキズつけてしまった」
ダイはまだ、気付いていない。ダイを一番非難し、𠮟っているのは、ダイ自身だった。
「おれ、昔は勇者ってかっこいいなって思った。ただ憧れてるだけだった。でも、レオナに出会って、アバン先生に出会って、みんながおれを勇者だって言ってくれて……だから少しでもみんなのために強くなりたいと思ってがんばってきた。でも、おれのちからなんかまるで役に立たないんだ、大魔王バーンの前では!」
くやしさを爆発させてダイは叫んだ。
「……それなのに、みんなはまだおれならなんとかできると」
ダイはその場にちからなく膝をついた。
「おれを本物の勇者だと思い込んでいるんだよ」
ポップも竜の石像も物言わぬまま、幼い竜の騎士の独白を聞いていた。
「もうおれは限界なんだ。これいじょうみんながおれに期待して戦ったりしたら」
がく、とダイの上体がその場に崩れた。
「みんな、父さんみたいに、おれの前で、きっと」
ポップはじっと見つめていた。
――おまえ、なまじ強いもんで、肩に乗っけられた信頼の重みをまんま引き受けちまうんだな。自分で自分に無理をさせてるんだ。
「わかったよ」
そう言ってポップは立ち上がった。
「もう無理には言わねえ」
うずくまるダイとは、背中あわせのかっこうだった。
「だがな、おれはおまえがいなくても、もう一度大魔王と戦うぜ」
「えっ!?」
ダイが驚いたのがわかった。
「おまえは昔から強かった。だけどおれは違う。強ぇやつが怖くて、逃げ回ってばかりいた。そんなおれが、今こうして魔界の神とケンカしてんだから、まったくオドロキだぜ」
「ポップ……」
「戦いがおれをここまでにしてくれた」
ポップは振り向いた。
「おまえやマァムやヒュンケルたちとここまでやってこれたのは、たったひとつの誇りなんだ」
もう説得ではなかった。ポップは話しながら本音をぶつけていた。
「今ここでやめちまったら、ちっぽけな勇気をふりしぼってここまでがんばってきた……」
ポップは、ダイに歩み寄った。ダイが立ち上がった。
「おれの戦いの日々がすべてムダになってしまう」
がしっとダイの肩をつかんだ。
「ダイ、おれたちは今までずっと誰かのためにがんばってきたよなっ。アバン先生の敵を討つために、おれたちの家族の平和を取り戻すために。でも、今ではもうそれだけが戦う理由じゃねえはずだ。みんなのためだけじゃない、自分自身のためにここで戦いを投げちゃいけねえんだ!」
ダイはうつむいた。自信喪失からではなく、まるで心の中に何かを探しているような仕草だった。
「自分自身のために……?」
「そうさっ!これはもう、おれたち自身の戦いなんだっ!」
ダイの瞳が揺らいでいた。
「おれたちの、たたかい」
とダイはつぶやいた。
ポップは数歩、離れた。
「自分のことは、自分で決めな」
ポップは夜空の向こうへ視線を定めた。
「おれは、戦う」
ポップ、と背後でダイが言いかけた。
「そして、おれは信じてる。おまえが本物の勇者かどうかなんて、関係ねえ!おまえがダイだから信じてるんだ!」
あのとき、初めてテランを訪れた時、場所も同じこの竜の像の前で、水中に沈んだダイに向かって叫んだ事を、ポップはくり返した。
「勇者がなんだ!竜の騎士がどうした!」
声が上ずる。涙があふれてくる。
「おれにとってダイは、ダイだ!」
ルーラを発動して飛び出す前に、ポップはやっとそれだけ言うことができた。
**********
ルーラが巻き上げた風が、ダイの前髪をゆすっていた。
――どうする?どうするって……
自分を縛り付けていた重みが、いつのまにか軽くなっていた。手足のふるえがいつしかおさまり、涙で曇っていた視界が晴れていく。
――もう決まっているじゃないか。
竜の石像は、その表情でダイの覚悟を受け止めているようだった。ぐっとこぶしを握り、ダイは夜空を見上げた。
*****************
カール軍の拠点に朝が訪れた。拠点の中では、兵士たちがざわついていた。一晩中探したにもかかわらず、ダイは発見できなかったのだ。
「ポップ!ダイは、見つからなかったの?」
マァムの問いに、ポップは口許を引き結んで答えなかった。
――ダイ、信じてるぞ。
「静粛に!」
ざわめきを破ったのは、女王フローラだった。フローラは半身を開いて背後を見た。
「さあ、こちらに」
戸口から小柄な人影が入ってきた。それだけで兵士たちが、メルルとエイミが、顔を輝かせた。
――よしっ。
ようやくポップは、肩の力を抜いた。
ダイはフローラの隣りに立った。
おおお~、と声が沸き上がった。
――こっからだぜ、ダイ。おまえがみんなに勇気を与えるんだ。
ダイは緊張していた表情をゆるめ、片手で頭をかいて笑顔を見せた。
「ちょっと頭を冷やしてきたんだ。心配させちゃったみたいで、ごめん」
バウスン将軍はうなずき、レオナは安堵の声をもらした。
みんな、と、ダイは、語り掛ける口調になった。
「大魔王バーンは、強い。マザードラゴンは、神よりも強いって言っていた。そんなヤツを相手に戦って、“必ず勝てる”なんて、おれには言えない」
いくつもの顔がダイを見上げていた。
「おれは、バーンよりも弱い。特別な武器もない。でも、このままちからまかせに世界をふみにじろうとするあいつを、放っておくことはできないっ!おれが誰にも負けないってはっきり言えるのは」
大きな目、太い眉、あどけなさの残る顔立ちで、ダイは人々を見据えた。
「その気持ちだけだ」
ノヴァが、はっとした表情になり、息を吐いた。
「そんなおれでもよかったら、みんなもちからを貸してくれっ」
森を揺るがす歓声がわきあがった。気持ちがひとつになったときの、心からの叫びだった。ゴメスが、チウとゴメが両腕を振り上げた。
「ダイくん!」
真っ先にレオナが飛び出して、壇上にいたダイに抱き着いた。マァムはダイの手のひらを握り、闘志満々でうなずいた。
「お~い」
ダイが振り向いた。
「おせ~ぞ、おまえ」
ポップだった。大きな目がキラキラしている。ありがとう、とか、いろんな言葉をのみこんで、ただひとこと、ダイは答えた。
「わるい」
なんだかひどく嬉しくて、二人とも声を合わせて笑っていた。
拍手御礼(2/8)
>甘ーーーの方、いらっしゃいまし。今年も一番手は絶対喋らない5主アベルさんです。が、マカロン持ったフローラの前で、双子と同じように口を開けて待ってたらいいと思います。フローラさんには小鳥のヒナが三羽でピヨピヨしているように見えてるといいな。もしかして毎年読んでくださってる方でしょうか?今年もありがとうございます。
(介護)認定不要(2/6)
DQ5二次「元気の出る魔法」をアップしてきました。「DQ5小品集」の中に収録しています。毎年恒例で二月から四月まで天空の花嫁たちの日が一日ずつありまして、2/6がフローラの日、シーズンの一番手でもあります。今年は二月ネタ=チョコレートというイメージでフローラさんにチョコレートクリームをはさんだマカロンを作ってもらいました。他の花嫁もお菓子ネタどうかな、と考えています。デボラさんの名前は蜂蜜と縁があるそうです。ビアンカは、なんだろう?考えるのも楽しいもんです。
さてyoutubeのダイ大は今回堂々の大魔王回でした。イケ爺、老バーンさまのお出ましでした。声優さんのご逝去がほんとに悔やまれます。こんなカッコいい後期高齢者めったにいませんから。バーンさまは余裕かますじいちゃんです。魔法で若く見せたりしないで、年齢相応の貫禄を背負っています。このバーン様が若くある必要はないのです。また、バランの火葬もそうですが、煽る煽る。正義とはちからなり、というある意味信念の男。ご褒美をあげよう、みたいな気さくな言動の陰で残忍な本性をのぞかせるあたりも、正しいラスボスだと思います。
第一、よぼよぼに見せかけてすごい強い。絶大な魔法力を駆使してパーティをらくらく翻弄していました。ハドラー登場のあと、ちょっと押されています。老バーン=賢者/魔法使いに対してハドラー=武闘家ですから。しかも老バーンの魔法力が減少、かつハドラーが距離を詰めて戦闘している。バーンには実はまだ奥の手があったわけですが、ミストバーンが動けないとしたらそれも使えないわけで。もしこのときザボエラが間に合わなかったら?たぶんミストがヒムたちを無視して飛んでくるでしょう。その結果、真バーン復活が早まる可能性があったかもですが、これはタラレバというものですね。 ちなみに老バーンは呪文の使い手ですが、ハドラーを蹴り上げたり、光魔の杖でブロックの頭に八つ当たりとかしてます。たいへんお元気そうで、介護も支援も必要なさそうです。
ダイ大のイケおじさまキャラの皆さんを、とんぼは勝手に「おじさん語」の使い手と認識しています。今回の超魔ハドラーもその一人です。ミストやキルがオリハルコン親衛騎団を捕らえて人質にしたとき、そのもくろみを言下にはねつけます。「……目的のために死を恐れる者などオレの部下には一人もおらんわぁっ!」人質にされたほうにとってはある意味見捨てる宣言なのですが、おじさん語でこう言い放つと印象がまったく変わり、ハドラーから親衛騎団に対する信頼や一体感が濃厚に重ねられているのがわかります。さすがハドラー、おじさん語キング。そう言われたらヒムも「えっ、偉え(えれぇ)…!!よく言ってくれたぜ、ハドラー様っ!!」になってしまいます。ヒムは、しかしおじさん語使いではないと思います。なんか違う。しかもあの声で。ヒム役にこの声優さんをあてたキャスティングは、あと百万回くらいたたえられてもいいと思います。
今回も言いたいことをほざくだけの日記でした。こんなところまで読んでくださってありがとうございます。そういえば、長らく機能していなかったリンク集を削除して、代わりにトップには更新の記録を置きました。ご報告まで。
受け継いだ心(1/31)
DQ2リメイク二次「王子が無口な理由」とのダイ大二次「赤い弓と冬の馬」をアップしてきました。
「王子が無口な~」は、ゲーム進行中ローレシアの王子がしゃべらないので他のメンバーがイベントを進めているという印象があったとき、なぜしゃべらないのか?と思ったことがきっかけです。王子は生来無口な性質ですが、幻の耳としっぽがあって、それで感情表現しているため仲間には思いが伝わっているのでは、というお話。これはこれ以上発展しなさそうだったので、1/26のDQ2誕にXへアップして供養としました。「赤い弓と冬の馬」は橙共通タイトル御題第60回です。ダイ大で馬ときたらハドラー親衛騎団所属の騎士シグマ、そこに弓を合わせるならメドローアの光の弓だろう、ということでこんな話になりました。ポップ対シグマの一騎打ちは、同時にポップとマァムの繊細な心情を描く名シーンなのですが、行数の関係でそのへん素通りとなりました……。
youtubeのダイ大はバランの最後のあたりで、ハンカチじゃ足りませんでした。なんだかんだで、バランは作中最強の一人だと思います。超魔ハドラーが登場してから、ダイ<超魔ハドラーという式が描かれていました(43話)。
〇闘志を噴き上げるハドラーは一瞬で駆け寄り、ダイが紋章のある右手でブロックしても、ものともせずに吹っ飛ばした。そのためにダイは右手がしびれて剣を抜けない。この時点でハドラーの攻撃力がダイの防御力を上回る。
〇第二撃はヘルズクロー。ダイは上空へ逃れるが、空中姿勢で逃げられない所をイオラで撃墜される。
〇第三撃同じくヘルズクロー。に加えて(おそらく)イオラを放つ。
〇吹っ飛んだダイをダッシュで追い抜き、ふりむきざまに飛び膝蹴り。その結果ダイは崖を背に。
〇四撃目のヘルズクローをからくも外す。ハドラーの爪は崖に食い込む。その衝撃を利用してダイは剣を空中へ放つ。
〇空中へとハドラーはイオラを放つ。ダイは剣を得て海波斬で反撃。海波斬はハドラーの手の甲からクローを数本切り落とした。
〇ハドラーは覇者の剣を出す。「決着をつけよう」
〇ダイはドラゴニックオーラを全開にして、ダイの剣でアバンストラッシュの構え。
〇だがそれで斬りつけてもハドラーの腕は切れない。ハドラーは右腕に仕込んだ覇者の剣で受けていた。
〇ハドラーは超魔爆炎覇をしかける。(このとき、微妙に左腕で右手を支えているかも。むしろ大剣を両手で握っている感じ)
幕切れは相討ちですが、明らかにダイ<超魔ハドラーです。次にバーンパレスに乗り込んで、バランを制してダイがハドラーの相手をしたとき(53)、ダイと超魔ハドラーはおおむね互角。互いに圧倒はできないが負けない状態でした。
〇ダイが自分の剣で斬りかかる。ハドラーは最初から覇者の剣を出して応戦。前回ちから負けしていたダイが今回退かずに渡り合う。ハドラーは数合重ねた結果「さらにできるようになった!」と喜ぶ。(バランはその戦いを見て、ハドラーの力のほどを測っている)
〇ハドラーはダイの知らない技を選ぶ。左手に隠したヘルズチェーンを飛ばし、ダイを拘束する。その状態でイオラを連発で浴びせる。
〇ハドラーは黒煙の中からチェーンを回収し、両手に魔力を生成する(=イオナズン)
〇ダイはドラゴニックオーラをまとって(その状態で防御したか)、アバンストラッシュをくり出す。
〇ハドラーはイオナズンで迎撃。前回ダイを苦しめたイオ系魔法が、今回は決め手にならない。
このパートの最後に二人が敵褒め行動を見せます。「まったくおまえは底知れぬヤツよ」←→「よく言うよ。ストラッシュの威力がイオナズンで完全に殺されちゃってる」このあたり大好き。ここでバラン対ハドラー(54)ですが、あれほどダイを苦しめたハドラーが、バランには相手にすらならないと見せつけられます。ハドラーはダイが子どもの姿であるにもかかわらず攻撃しまくっていました。バランもハドラーに遠慮会釈もなく、ワイルドにぶちのめす、というより、最低限の動きでハドラーをいなします。
〇ヘルズクローを避けずに受けて、それが通らないことに驚愕するハドラーにハイキックをかます。この時点でハドラーの攻撃力よりバランの防御力が上回る。
〇覇者の剣をつきだすハドラーの手首を取り、固定したうえで右腕を下から折るような一発。覇者の剣をどこに収納しているか知っている=剣と右腕をつかえないようにする。(これはほとんど、最初の戦いでダイがされたことの仕返しのような?)
〇折れた右腕でハドラーは超魔爆炎波をかける(左腕で支えている?)。
〇受けてやるぞ⇒ドラゴニックオーラ全開で激突する。バランの右腕がハドラーの腹部を貫通し、黒の核晶をつかみだす。
ここにいたって、ダイ≒ハドラー<バランという図式が完成します。「上には上がいる」に従えばいつしかバランは退けられるはずですが、バランはここで黒の核晶(コア)とともに散ってしまいます。いわば「死に逃げ」の形で、バランは結局最上位のまま。ですがバランがダイに見せたのは、最も強い者は、誰かを全力で守り、かばう、という自己犠牲でした。ダイ大本編を最後まで見ていくと、それこそが受け継がれる心なのかもしれないと思いました、ぐすっ。
こっそりハピバ(1/26)
まだ26日のうちなので、こっそり(=トップに記載せずに)祝います。本日は当サイトの設立記念日です。2001年1月26日に「王宮のトランペット」は誕生しました。四分の一世紀、ずっとここで遊んでいますが、まだ遊び足りないです。
なんの偶然か、DQ2の記念日でもありますね。39周年だそうです。Xには記念SSを投稿してきました。「ローレシアの王子が無口な理由」です。DQ主人公の常でローレ君はまずしゃべりません。パーティ仲間はどうやって彼の意志を確認しているのか?実はロレ王子には犬耳としっぽがあって、その動きで感情を仲間に伝えているのでは?というアホ話です。そのうちこのサイトにもアップしますので、よろしくお願いします。
不器用なあなた(1/24)
寝かしつけるの、いつまでたっても下手なんだから……youtubeダイ大、とんぼはハンカチ用意して見に行きました。父親の情が覚悟に変わる屈指の名場面です。でもそんなことはとんぼが今さらうんぬんしなくてもダイ大ファン一億人が(主観です)納得することなので、あえてとんぼは、ギャップ萌えについて語りたい。バランさま、眼光鋭い最強戦士と新米パパが同じ一話で登場なんて、あざといくらいの萌えだと思います。若バランは獄炎にも登場してましたが、たいへん若くて不器用でかわいい。いつもはとろく見えるのに、いざとなったら最強、というこのギャップ、古くはマーベルコミックのスーパーマンあたりから続くヒーローの伝統でしょう。日本では、と考えたら、かの「必殺仕事人」の中村主水氏が頭に浮かびました。うだつのあがらない同心で昼行燈とあだ名され、お嫁さんの母上から「婿殿!」と叱責される小役人⇒裏稼業では最強の仕事人……。バランを婿よばわりできるのはたぶんアルキード王だと思うのですが、絵面を考えたらなんかえらいカオスでした。そういえば、本編終了後のアバン先生もそういう立ち位置=女王のお婿さんですよね。アバン先生のほうがすんなりおさまる気がします。
獄炎58話見てきました。こちらではアバン先生が闇落ちしかねない顔をしてます。地底魔城のハドラー戦でもバーンパレスのキルバーン戦でも、こんな顔になってないです。どうしてかなと思ったのですが、今回アバン先生はたぶん、自分自身に対して怒っているのではないでしょうか。数年をむだにしてしまい、ヒュンケルのことも取り返しがつかない(と思っている)のですから。
アバンと対峙しているベアーチェですが、ベルクスはたった八振りしかないと言ってました。オリハルコンブラザーズについていろいろ捏造しているためか、ベルクスもなんとなく疑似兄弟のような気がしています。無機物にして人格を持つ、という特徴が同じですので。ベルクスの皆さんはどんなふうに出来たのでしょう?もし禁呪法で作られたとしたら、創造主のメンタルが人格に影響するという決まりがあるはず。でもベルクスたちの性格はバラバラで共通点があまり見つからないのです。
さて、橙共通タイトルお題が今年も始まりましたよ。今年の第一回目は「赤い弓と冬の馬」ですって。このところ年末年始で駄文書きもお休みしていました。久々のチャレンジでちょっとテンションが上がっています。日記を更新してしまったら、さっそくとりかかろうと思います。楽しい。
おじさん語炸裂(1/17)
今週のyoutubeダイ見てきました。51話、52話は、とんぼにとってバランさま回でした。元ボスキャラ、作中一二の実力という属性を別にしても、ダイ大屈指のイケおじさまです。以前この日記にバランが昭和の頑固親父/大正浪漫の紳士に見えると書いたことがありますが(2023年10月でした)、バランは根本的に主人公の前に立ちはだかる父、というキャラなのでしょう。
バランは独特のボキャブラリを持っています。いわば「おじさん語」の使い手。ヒュンケルに無刀陣で挑まれたとき、あえて策に乗りバランは真魔剛竜剣をかまえます。「その技、受けてやるわ」。この語尾です。「受けてやろう」じゃないんだ。他にも「恐ろしい男に成長したものよ、ヒュンケル」、「お前の覚悟、しかと見た」等のセリフにおじさん語をのぞかせています。声優さんの演技とあいまって、すごい貫禄、かつ男の色気。これに対抗してしゃべれるのは、もうひとりのおじさん語使い、クロコダイン。「おれに聞かんでくれ!不器用だが万人に誇れる俺の友の、心意気だけを汲んでやってくれ!」さすがですわ。
心意気、はもしかしたら、ダイ大の中核をなす概念のひとつなのかもしれません。正しいと思う事、善であることを、自己犠牲を承知でまっとうする。現にヒュンケルの心意気は、バランをして節を曲げさせ、ダイのパーティに合流せしめました。そういえばOPED変わりましたね。ここからあとは超魔ハドラーの活躍回が多くなります。「おじさん語キング」ことハドラーの名台詞のあれこれ、今から待ち遠しいです。
話がバランに戻るのですが、52話で父子の会話があります。このシーン、とても好きです。というのが、読み方によってはバランが「我が子にどう接していいかわからないお父さん」に見えるものですから。最初に「わかったな、ディーノ」と言ったとき、ダイはプイッと横を向いてしまいます。(そういや、ダイと呼べって言ってたっけ)と思い出して「ディーノ、いや、ダイ」と訂正してます。これから出陣というとき、ダイは後ろ向いて何も言いません。ぎくしゃくした関係にバランはよほど困ったらしく「いいかげん、何か口をきけ」。これに対してダイの質問は、このギクシャクに対する最適解でした。「おれの母さんて……」虚を突かれてバランが目を見開きます。「敵」でもなく「父」でもなく、バランは一人の男として愛した女の思い出を語ります。ダイ以外でこれを聞いたことがあるのは、おそらく竜騎衆、たぶんラーハルトだけなんじゃないでしょうか。
そして始まる最初で最後の父子タッグ。「おまえの力が足らんときは、容赦なく置いていくからな」とバランは言ってますが、聞く方は行間に「お前の安全のために」が聞こえます。思念波を使って父子で話ができたとき、「~全力で自分の使命を果たせ」にダイが強くうなずいたとき、バランはかなり嬉しかったんじゃないかしら。すいません、怒涛の好きキャラ語りでした。
そう言えば第51話では無刀陣のシーン、師弟の別離シーンと、獄炎の魔王アニメ版をかいま見た気になれる回でした。マジで獄炎アニメ化してください……
メドローア考(1/6)
「獄炎の魔王」14巻は手に入れました。表紙カバー裏にはでっかいシャドーがいて、あくまで不穏な雰囲気です。思いつめたヒュンケル君の表情が胸をえぐります。
皆さま、お正月はいかがお過ごしでしょうか。とんぼはこのところDQ2リメイクで、美しい画面や複雑な物語を楽しんでいます。難を言えば、リメイク前のDQ2の、好き勝手な解釈を許す自由さが減ったことかもしれません。でもムーンブルクの王女(プリン)はたいへんとんぼの好みです。サマルトリアの王子(クッキー)に「空気を読めない」という性格が付与されたことでちょっと方向が固まりすぎ、とは感じます。彼の妹姫(マカロン)はいい子ですね、まじで。この三人がしゃべりまくるので、主人公ローレシアの王子の無口が目立つようになってしまいました。このあたり、二次としては何かひねりたい。何か思いついたらまたこの日記でさわぐと思います。
明日またyoutubeのダイ大ですね。とんぼはサババの戦いまで見てました。その前のあたりで思ったこと。使徒たちの特訓の中で、メドローアの伝授がありました。あのシーン、マトリフ師匠の活躍回だしポップはかっこいいし、とても好きなのです。でもどうしてメドローアをかっこいいと感じるんだろう?ドラクエ世界に呪文が数あるなかで別格の大呪文だから、というのは答えの一つだと思います。でも、それだけじゃない。あの伝授の時、師匠が手取り足取り教えていたらここまでかっこいいシーンにならなかったのでは?46話でポップの泣きつきから「表へ出な」まで、マトリフは一度目を閉じ、また開いただけ。そのわずかな間にメドローアの伝授を決めたことになります。その瞬間に、”こいつならメドローアを覚えられる”と感じたということでしょうか。そのあと極大消滅呪文の解説⇒特訓開始⇒マトリフが二つの呪文を合成する。ポップはそれを受けて自分も氷炎の合成にかかるのですが……
イメージとしてはこんな感じ……腕に覚えのある戦士が剣を振りかぶって相手に向かって鋭く打ち下ろす。が、相手も剣でその刃を受け止める。戦士は攻撃を止められたことに驚き、警戒し、不意に口角をあげ、つぶやく「おぬし、やるな」。
ポップが左右の手にそれぞれ生成した魔力を重ねようとしたとき、マトリフがすごく驚いてるのですよ。マトリフは、自分以外の魔法使いがこの氷炎の合成をやってのけるのを見たのは実は初めてなんじゃないでしょうか。魔法使いが自分の魔法を相殺せよと煽るのは、戦士が刃を交えるのに似た感覚なのでは。どうしてカッコイイと思ったか。答えは「相殺」ではないか。マトリフは老いと病をおして自分の力量を見せつける、ポップはその意気に感じて己の力量以上に挑戦する。これは伝授と特訓のシーンにはちがいないのですが、形を変えた決闘だったのかもしれません。魔力の、ではなく、意地と意地のぶつかりあいです。
新年初の「オタクの寝言」でした。小説なかなか書けないもので、日記でうっぷんをはらしております。
あけましておめでとうございます(1/1)
明けましておめでとうございます。年をまたいで日記ページの改装作業をしていました。過去の日記、2010年から2025まで、15年分あるのですよ。なんとか管理のしやすいようにといろいろいじっています。幅の広いブラウザで見てくださる方には、このとんぼ日記の左側に各年日記へのリンク一覧があります。例えば一昨年の、2024年の日記にもありました。過去の日記ではこの各年へのリンク一覧をなくし、その前年と翌年のリンクに替えます。幅の狭めのブラウザの場合、最初から一覧でなく前年翌年リンクなので変更はありません。
いじりながら、過去の日記が目に入る。「こ、こんなこと書いてからに……!」という羞恥心のせいで作業がおそいおそい。今年もこんなふうに明け暮れますかね。さしあたって、今月五日の獄炎最新刊はゲットしにいきます。DQ2は真エンディングめざしてがんばります。気がついたら、このひと月弱、小説を書いてないのです。なんとも気持ちが落ち着きません。まったりオタクの寝言を語る日々を取り戻したいです。