勇者、降臨。
DQ4の主人公、勇者(男)です。天空編の主人公たちはいささか不幸な生い立ちであることが多いのですが、彼もまた例外ではありません。
出身はとある山奥の小さな村。素朴さが彼の持ち味、ということで、服はあえて白ではなく、生成りのコットンで上下をつくり、青みがかった緑色の上着を着せました。ベルトでウェストをしめて形を作るだけの、いたってシンプルなものです。
一番大変だったのが天空の兜。プラ板でつくってパテでとめ、あとから吹きつけの塗装をしました。タツノオトシゴに見えるウィング部分は、別に作ってあとから縫いつけ、金のビーズでとめています。
彼のヘッドはピサロに続いてサイト「Valse Caplices」の管理人YUE様に製作していただきました。どうもありがとうございました。
(実は片耳だけのスライムピアスもつけていただいたのですが、髪に隠れて見えなくなっています。かわいいんですが。) また、ボディはボークス社の青年素体に、腹巻をまいて胴回りを増やしたものです。
何も知らずに山奥で大事に育てられ、村人に見守られてきた男の子。その正体はこの世が悪に覆われるときを見越して、天空の神が用意周到に配置した、天空人と人間のハーフ。
彼の運命が動き出したのは、村に一人の吟遊詩人がやってきたときでした。
「ほほう…。
この村には君のような子供もいたのですか。私は旅の詩人。山道で迷ってしまってこの村に辿りついたのです。
しかしこんな山奥にこのような村があったとは…。まったく驚かされましたよ」(DQ4本編より)
少年と詩人……YUE様作のカスタムドール二体です。
詩人の台詞に対する少年の答えはわからないのですが、こんな感じだったのではないでしょうか。初々しく。
「ここは大人ばっかりです。子どもはぼくと、ほかに女の子がいるだけで、だからみんなして子ども扱いで……外の世界のことを、何か話してくれませんか?」
YUE様のドールヘッド技術で驚かされることのひとつが、精緻なその”目”です。命を持っているかのような、強いまなざしは、細かい筆書きから生み出されるようです。
「ちなみに仕上げた時はピー様に村を滅ぼされた後の
焦燥感に満ちた表情なんだけど瞳は一筋の闘争心がキラリと光る…なんてイメージだったんですけれども(^^;」
(製作者YUE様のメールからお許しをいただいて抜粋させていただきました。まさしくそのイメージでございます。)
かくして、序章が終わり、冒険が始まります……
天空人の血を引く勇者君は、そのうち羽が生えるのではないか、と思います。
というより、以前ピサロの衣装を作ったとき、細部の参考にあちこちのDQ4サイトさまをお訪ねしました。そのとき、羽の有る勇者君のイラストを拝見して、かわいいと思いました。サイト「Point BB」で、ちばさまが描かれたものです。コンセプト借用をお願いしたところ、快くお許しくださいました。ちばさま、どうもありがとうございました。
「私のドールブックvol.15ロマンチックドレス」には、冒頭に白いフェルトの羽を背負った”たまき”が登場します。その羽、作ってみたくてたまらなかったので、これ幸いと勇者君にしょってもらいました。 首に見える白のリボンで身体に結び付けています。
そういうわけで、型紙も、”羽付き”のコンセプトも、とんぼの考えたものではありません。
トップに使用したもの。
サテンリボンはこんな風に胸で交差させて、腰の上で結んでいます。ピサロの場合、リボンを白にしたほうがめだたなかったと思いますが、ついこの人のテーマカラーで作ってしまいました。
なんとなく勇者君が恥ずかしそうに見えるのは、ウェストに巻いた親父くさい腹巻をシャツで隠しているからです。 腹巻なしの彼(ボークス製青年ボディ)は、アリーナよりウェストが細いです。