魔王、見参。
ドラゴンクエストIVに登場のデスピサロ/ピサロです。
今までのドラクエシリーズを通して、最も特異なボスキャラとして有名。ラスボスであるにもかかわらず、なんとエルフに恋し、あまつさえラストダンジョンを離れて世界をうろつきまわり、こともあろうに勇者のパーティに加わってしまうという異端ぶりです。
FC版、PS版の2タイプがありますが、今回はPS版の公式設定をできるだけ忠実になぞってみました。下は後姿です。
(ピサロのこの衣装は、製作日記をつけていました。「魔王様の作り方」として公開しています)
物語は、山奥の村から始まりました。ある日、旅の吟遊詩人がいきだおれになっているのを村人が発見し、村の宿屋で介抱していたのです。外の世界の者が村を訪れるのはきわめてまれだったので、村で育ったその子どもは、興味を持って話し掛けました。
「ほほう…。
この村には君のような子供もいたのですか。私は旅の詩人。山道で迷ってしまってこの村に辿りついたのです。
しかしこんな山奥にこのような村があったとは…。まったく驚かされましたよ」
(ドラゴンクエスト4本編より ピサロのセリフは、サイト「プレアデス」の相田比呂様が採集したものをお借りしています。)
上着はカーテンの見本生地です。デザインはDQ4第3章のロレンスの服を参考にしました。ズボンとブーツは、魔王装束と共通。あのごつい装束のまま山奥の村へもぐりこんだとは考えにくいので、一般市民風の衣装を作ってみました。
やがて旅の詩人は、その正体を現します。魔王、デスピサロ。小さな村はほとんど瞬時に壊滅しました。モシャスで変身したある少女も、命を落とします。
魔物:デスピサロ様! 勇者をしとめました!
ピサロ:おお、でかしたぞ! よくぞ勇者をしとめた! 貴様には後で褒美をとらせよう。ではみなの者引き上げだ!(DQ4本編より)
マントは魔王装束と共通。プレイヤーは見ることのできないシーンですが、想像で補ってみました。
物語がすすんで第二章になると、別の町で彼の名を聞くことになります。エンドールの城下町では、王の娘、モニカ姫との結婚のかかった、武術大会が開かれていました。その優勝候補の名が、デスピサロ。
「もし ぶじゅつたいかいに でるのなら デスピサロという おとこに きをつけろ
とてつもなく つよく あいての いきのねを とめるまで たたかいを やめぬのだ」
「うーん うーん おそろしい……。
デスピサロのつよさは とても にんげんとは おもえない……。」
(DQ4本編より エンドール関係のセリフは、サイト「どくよんず」さまで収集されたものからお借りしています。)
第二章の主人公アリーナ姫は武闘家系ですので、対戦するために”武闘家ピサロ”を作って みました。チャイナ風の衣装を考えていたのですが、適当な生地がなく、あきらめました。上の服は、”正調鳥山スタイル”、亀仙流の胴着ふうのデザインを黒でつくったものです。ベルトは吟遊詩人と、バンダナは魔王と共通。
第五章。主人公率いるパーティは、噂のデスピサロが君臨する悪の本拠地、デスパレスへ潜入します。デスピサロはいました。それは、並み居るモンスターたちを前に、命令を下す魔王の姿でした。
「聞いてくれ諸君! たった今鉱山の町アッテムトで大変な事態が起こった! 地獄の帝王エスタークが人間どもの手によって甦ったらしい!
どうやら人間どもは気付かぬうちに地獄の世界を掘り当ててしまったらしいのだ。
とにかくアッテムトだ! エスターク帝王をなんとしても我が城にお迎えするのだ!
さあ行くぞ! 諸君も急いでくれ!」(DQ4本編より)
そのアッテムト鉱山の奥のエスターク神殿で、回廊をへだてて魔王と勇者はあいまみえます。山奥の村で出合って以来の再会でした。
デスピサロ: な…何ということだ! こ、このようなことが起きようとは…! 我らが長きに渡りその復活を待ち望んだ魔の帝王がおぬら人間どもに敗れただと…。
……。し、しかし予言では帝王を倒せるものは天空の血を引く勇者のみのはず…。お前たちはまさか…!?
(DQ4より)
人形に表情はありません。が、角度によってピサロドールはいろいろな感情をかいまみせてくれます。驚愕と静かな疑念の立ち上がっていく、そんな表情に見えるでしょうか。