ダイの大冒険二次・捏造魔界編

あれは新型コロナウィルス肺炎の流行が世界中に広がっていこうとするころ、ネット上で「ダイの大冒険」を再度アニメ化するという情報が流れました。この時代に三十年前の夢が実現するなんて。どきどきしながら毎週土曜日リアルタイムで息を殺して展開を見守りました。毎回体感五分、話の筋は知っているというのに目と心が画面に惹きつけられて離せませんでした。

無事に最終回を迎えたあと、ダイ大が終わってしまうということに耐えられず、当時のtwitterにこう吐き出しました。「公式がやってくれないのなら、てめぇで続き、書いたらぁ!」……。

もともと「ダイの大冒険」には作者さまが、主人公たちの魔界での冒険という企画があった、とうかがいました。その魔界の冒険、二次で書いてみたい。本編ラスボスの大魔王バーン、魔界の冥竜王ヴェルザー、彼らの他に、魔界には第三のボスが設定されていたそうです。すでに「魔」と「竜」のボスがいるのなら、第三のボスは「ひと」なのでは。

などということを考えながら捏造魔界編をこねくりまわしていました。とんぼにとって「ダイ大」二次はDQナンバーシリーズに比べてほとんど書いたことのない、慣れないジャンルです。そして公式が続編を出したら秒で粉々になる二次創作にすぎません。そんなつたない作品ですが、ダイロスをこじらせたいちファンの「ダイ大の続き」です。おつきあいいただければ幸いです。

★連載のあいだ、一話ごとにXで内容を簡単に紹介していました。期間限定で紹介した文章を以下に再掲します。

第一話☆本編終了五年後、ダイの輝聖石が見つかったという知らせを受けて、アバンの使徒たちがカールへ集います。
第二話☆魔界の入口で頑固な番人「ゲートキーパー」が立ちふさがりました。ポップが煽り、アバン先生がなだめるというコンビで攻略します。
第三話☆魔界突入前に何を準備すべきか?ポップに続きマァム、ヒュンケルがアバンの元を訪れます。そしてレオナは一人、苦しんでいました。
第四話☆ダイは地上へ戻る気がない?魔界捜索隊が出発するときレオナはマァムにナイフを渡します、ダイ君に渡して、と。
第五話☆魔界では力が正義。略奪されたぬすっとうさぎの村に、地上から救いの手が現れました。「魔界探索行」の章、スタートです。
第六話☆からんできた獣人をポップが迎え撃ちます。魔法使いには不利、しかしポップにはブラックロッドとアバン仕込みの杖術がありました。
第七話☆一人分断されたヒュンケルに霧の中から刺客が襲ってきました。体力は戻らず鎧も槍もなし。武器はただ仕込み杖と、不屈の闘志。
第八話☆「ここらで人の子を見かけなかったか?」聞込みのために酒場の客たちの口を軽くする必要がありました。クロコダイン回です。
第九話☆探知能力に秀でたメルルと魔界に強いラーハルトが加わってダイ捜索進行中。一行は首無しの騎士に遭遇しました。
第十話☆一行はあどけない少年が湖の対岸にいるのを見つけ、その子の元へ急ぎます。しかし最初から不穏な気配がしていました。
第十一話☆せっかく見つけたダイは、ダイらしくない。悩むポップに深夜ダイの中の謎の存在が呼びかけました。「魔法使いの少年よ」
第十二話☆「地上へは戻らない」ダイの決意をポップが攻略します。が、月夜のテランの湖でポップは説得の経験値をつんでいました。
第十三話☆一方、クロコダインはオーシャンクローたちの用心棒として海の籠城戦を戦闘中。仔竜に託した援軍要請は間に合うか?
第十四話☆援軍はヒュンケル、ラーハルト、そしてクロコダインの知らない人間の若者でした。ギガブレイクを引っ提げて、勇者初陣です。
第十五話☆魔界第三のボス登場。この怪物の前では、MPも闘気もすごい速さで消耗します。対抗するためにダイは、最強戦闘形態へ。
第十六話☆「竜の騎士よ、我ら一族を魔界から逃がしたまえ」第三のボスによって滅亡目前の魔界で、魔族たちが頼るのは竜の騎士でした。
第十七話☆相手の魔力を吸収する黒い海のメドーサボールに対するは、膨大な魔力を誇る大魔王でした。「余の魔力は、無尽蔵だ」
第十八話☆ダイの心を解きほぐしてくれたのは、初めてのともだちの思い出でした。神様ってきっと、ゴメちゃんみたいなものなんだ。
第十九話☆イオナズンの爆風を身にまとい、最強の助っ人が魔界に降り立ちます。「ダイ、元気そうじゃねえか」
第二十話☆魔界脱出計画始動。かつて共に戦った仲間たちが、ダイの脱出を助けるために魔界に集います。「そいつはおれにまかせな」
第二十一話☆竜の騎士として認められるためにダイは新しく真魔剛竜剣を作ることを計画中。依頼先は当然、あの名工です。
第二十二話☆ダイたちが脱出を計画しているころ、レオナはマァムをパプニカの城内に拉致していました。「服をつくるの、あなたの」
第二十三話☆魔界脱出のため巨大帆船を飛ばさなくてはなりません。膨大な魔法力調達は、大魔道士師弟の技量にかかっていました。
第二十四話☆ダイのためにラーハルトが改めてドラゴンの乗りこなしに挑みます。ドラゴンとドラゴンライダー、びびるのはどっちだ……?
第二十五話☆脱出計画は着々と進んでいます。ポップだけは箱舟を飛ばす呪文に苦悩していました。「話せるとこだけ話す。それでいいか?」
第二十六話☆竜騎衆選抜その2、海戦騎にクロコダインがチャレンジします。相手は巨大な半竜半魚、シャークマジュ。「馴れ合いはナシだ」
第二十七話☆ポップの罠は次第にそろってきました。一番重要な離水発進時のカード「身代わり」には、その幻の体の一部が必要でした。
第二十八話☆竜騎衆選抜その3、空戦騎にマァムがチャレンジします。その相手、スカイドラゴンの女王は悲しみと怒りに半ば狂っていました。
第二十九話☆ついに隠れ家が見つかり、敵に囲まれました。脱出準備の総仕上げをしていたダイたちの間に緊張が走ります。「ヤツが来る!」
第三十話☆隠れ家全体に乗船命令。風雲急を告げる中敵も味方もすべてのキャラが集まってきます。「いいねえ、やっとひと暴れできそうだ!」
第三十一話☆全行程の最難関、離水発進のために、ポップは第一のカード「身代わり」を切る。あまたの努力と犠牲の上に、箱舟は魔界の空へ。
第三十二話☆一方地上では船団の魔界脱出の報を受け、準備を進めていました。「味方を効率よく殺すことを覚えねえと、おまえ、詰むぞ」
第三十三話☆MPを制限する黒い雨の中、それぞれの船では第二のカード「櫛」が発動するまでの時間を稼いでいました。「あと三十秒!」
第三十四話☆天の意志を尋ねるために、首無しは竜の騎士を探していました。ダイは申し込まれた勝負を受けます。「御曹司、かたじけない」
第三十五話☆ダイと新竜騎衆は首無しと立ち会います。戦いの果てに、首無しはダイに頼みごとをしました。「姫を妄執から救いたまえ」 
第三十六話☆ついにダイは魔界のボスと直接対決を決意。つまり平常運転。「しかたあるまい、ダイだからな」
第三十七話☆アバンの使徒ブラザーズ+ヒムで敵に攻撃をたたきつけますが、ダイはダメージ反射に襲われました。「いったん、退避だ!」
第三十八話☆パーティは戦略をたて直します。ダメージ反射されるなら反射し返せばいい、わずかな時間差で三種類の攻撃を処理するあの技で。
第三十九話☆マグマの激流に敵は自ら身を投じ、変身後のラスボス、蛇姫としての姿を現します。「ワレカラ逃ゲルナド、許サヌゾ!」
第四十話☆物理系攻撃を反射するラスボスに対してポップが選択したのは呪文勝負でした。ラスボス対ダイポップ組、最後の戦いがスタート。
第四十一話☆ついにアバンが魔界へ。アバンのもたらす人工太陽、ダイの剣、真魔剛竜剣、三つそろって新アバンストラッシュが起動します。
第四十二話☆敗北して石と化す運命を回避した姫は、ダイにお礼をしてくれました。「捏造魔界編」これにて終了です。