シャドウアタック 5.不意打ち

シャドウアタック 5.不意打ち

 デルカダール神殿の参道に続く長い階段を上がると尖頭アーチ型の入り口があった。入り口を入ると、壮大なホールになっていた。あちこちでかがり火が焚かれているが、あたりは無人で静かだった。イレブンとカミュは神殿の中を眺めながらゆっくり歩いた。足音が空間にこだました。
「悪いな、勇者様。オレの用事につきあわせちまって。おっと、王子様か」
昨日イレブンは故郷の崩壊を目の当たりにしたばかりだった。そして今日、イシの大滝の前で二通の手紙を読んだ。
「ボーっとしてるより、何かしてた方がいいんだ。いろいろ思い出すと辛いから」
とイレブンは言った。
「それから、ぼくは勇者を始めて十日もたってないし、王子のほうはまだ一時間ちょっとだからね。田舎者の世間知らずの上にかぶる皮はまだできてないよ、ごめんね」
「言うようになったじゃねえか」
短く笑ってカミュは言った。
「気持ちが落ち着いてるなら、その方がいいや」
 実はカミュは、まだ自分の疑問を解決してはいない。
――ベビーとサイコはどんなきっかけで入れ替わる?
 脱獄の時と下町で絡まれた時は、おそらくイレブンは身の危険を感じていた。
 デルカダール兵に故郷を焼かれたと知った時、イレブンは明らかにサイコ化しようとしていた。だが、その状況は“危険を感じた”というのとはちょっと違うと思った。現に、デルカダール兵そのものは村にいなかった。
 自分より強いと感じたモンスターが相手だと、イレブンは問答無用でサイコへ切り替わり、容赦なくたたきつぶす。ただ、イレブンのレベルが上がって相手を強いと感じなくなると、ベビーのままで対処している。
 おかげでカミュは、イレブンの状態で相手モンスターの力量を測れるようになった。イシへ来る前、ナプガーナ密林で木こりを犬に変えてしまったいたずらデビルが宝箱から飛び出してきたとき、イレブンはしごく冷静だった。
「ジャ、ジャ、ジャ、ジャ~ンッ!!参上!オレは……いたずらデビル」
その時点でカミュたちは、大樹の根が見せてくれた幻の中で、いたずらデビルの隠れ場所をとっくに知っていた。皮肉な笑いをもらしてカミュは聞いた。
「ふ~ん。で?」
いたずらデビルはむかついたようだった。
「ウゲーッ!リアクションが悪いぞ。なら、これでびっくりさせてやる!いっくぞー!」
いたずらデビルは指先から魔力を放った。イレブンとカミュは、それぞれ左右に半身ずれて直撃を避けた。
 イレブンはむしろぽかんとしていた。地団太踏むいたずらデビルを少し困ったような顔で眺めていた。こいつ、たいしたことねえや、とカミュが思ったのはそのときだった。結局カミュが挑発して、いたずらデビルはあっけなく倒すことができた。
 再度、疑問へ立ち戻る。
 イシの村でイレブンはデルカダール兵の凶行を見せつけられた。ベビーと分離してほとんどサイコ化したが、実際に剣を抜いて暴れたりはしなかった。
――あのテオとか言うじいさまのおかげかね。
“イレブンや、人を恨んじゃいけないよ。わしは、お前のじいじで、しあわせじゃった”。
手紙の末尾にもあったその一言で、イレブンは冷静を保った。この先、イレブンサイコが暴れて困るときがあったら、テオの言葉を伝えれば抑えられるのか?
「カミュ、あれ、見て」
カミュは我に返り、ぎょっとして身構えた。
 太い柱の立ち並ぶホールの石床には、デルカダールの兵士たちがころがっていた。
 二人はそっと近寄った。カミュは手前にいた一般兵の前にかがみこんだ。
「おいおい。どういうことだ、これは……。兵士が倒れてる。いったい誰がこんなことを」
開け放しの入り口から風が神殿内に吹き込んだ。風はどこかから抜けて行った。
「うん……?」
空気が動いている。どこかに気流の出口があるということだった。
 カミュは顔を上げた。双頭の鷲像が眼に入った。左の鷲が鍵爪に剣をつかみ、足もとには斧と杖がある。デルカダールの象徴だった。
 二人は壇の上へあがり、双頭の鷲の背後へ回った。地下へ通じる階段が開いていた。兵士たちを倒した者がこの先にいるはずだった。二人は顔を見合わせてうなずき合い、音を立てないように階段を降り始めた。

 神殿の最深部は小さめの部屋になっていた。部屋の奥に、左右にかがり火を置いて高めの壇がある。壇上には湾曲した台があり、その上に置かれた筒は立て爪で真っ赤な宝石を支えていた。宝石はかなり大きく、鶏の卵ほどもあった。
「ケケケ、こいつは楽な仕事だぜ。このオーブをあの方に渡すだけで、ほうびは思いのままだ」
白いくちばしから赤い舌を長くのばして、モンスターがそう言った。緑色の体、青い翼に三つ目の猛禽型モンスター、イビルビーストだった。すぐそばにもう一体、同じモンスターがいた。
 冗談じゃねえ、と思いながらカミュは聞いていた。イビルビーストたちはどうやらレッドオーブを盗み出して“あの方”とやらに渡すつもりらしい。ようやくデクが隠し場所をつきとめてくれたというのに、むざむざレッドオーブを別の泥棒に横取りされてなるものか。
 愛用の短剣を探りながら、カミュは相棒のようすをうかがった。
 イレブンは、かわいいような丸いほほ、大きな目のままでイビルビーストを眺めていた。
「あいつら、カミュのオーブを誰かにあげるつもりみたいだね」
ベビーのままだ、とカミュは思い、ほっとした。
「あのチキンども、ここでシメるぞ。いいな?」
こくん、とうなずいてイレブンは身構えた。
「そのオーブはオレがいただくぜ!」
カミュが飛び出してそう言うと、イビルビーストどもが振り向いた。
「ケケケ、なんだ、お前ら?」
カミュはじっと観察した。確かに体は大きいがスキだらけだった。
「まあいい。ここに来た不運を呪うんだな!」
 イビルビーストは、見た目のごつさに反して意外にも魔法を好んだ。バギを使われると、カミュ、イレブン双方にダメージが来る。回復に手数を使うと攻撃ができず、戦闘は長引いた。
「攻撃を右側のやつに集中するぞ。それからこいつら、火が苦手らしい」
「わかった!」
攻め方がわかってきたおかげで、右側の一体を倒すことができた。ちょうどそのころ、カミュに予感があった。
――アレが来る。
戦闘によって集中力が研ぎ澄まされた状態、とデルカダールの丘の教会で会った戦士が言っていた。“ゾーン”に入るのだ、と。
 バギを食らってダメージが来た。額から汗が流れ落ちた。その瞬間、視界が青く染まった。同じバギで同時にゾーン入りしたイレブンが声を上げて呼んだ。
「カミュ!」
――丘の教会の戦士に言われて、初めて試した技があった。
「行くよ!」
イビルビーストに向かってまっすぐにイレブンが突っ込んでいった。
――二人同時にゾーンに入った時にのみ可能な、死角からの攻撃。
イビルビーストはあわてて身をひねった。だが、イレブンの一撃でがっつりとダメージを負った。
 うふ、とイレブンが笑った。この連携技の最大の妙味は、最初のアタッカーが作り出した死角にある。そのブラインドサイドに潜んでいたカミュの短剣がイビルビーストの背後から斬り上げた。
――連携による不意打ち……シャドウアタック。
 くちばしを大きく開いて天を仰ぎ、イビルビーストは痙攣した。青い羽毛を振りまいて、イビルビーストは煙となって消滅した。

 旅立ちの祠と呼ばれるものは、デルカコスタ地方の一番南、海に突き出した半島の突端にあった。手前の浜には船着き場があるが、祠へ行くには大岩の下のトンネルを抜け、その先の草原を縦断することになる。二人は草を踏みしめて歩いていた。
 草原を見下ろす大岩の頂点を、馬鎧をつけた軍馬の蹄が踏みしめた。その音を聞いて二人は振り返った。大岩の上にデルカダールの軍馬がいた。その数、五~六騎。銀色に輝く馬鎧の軍馬が左右に避けて中央を空けた。そこへ、黒い馬鎧の馬が進み出た。
 騎手は胸甲に金の双頭の鷲を描いた黒い鎧をつけた長身の戦士だった。デルカダールが誇る“双頭の鷲”の一人、グレイグ将軍だった。
「見つけたぞ、悪魔の子め……」
カミュが舌打ちした。
「くそっ!ここまで追ってくるとは!」
 グレイグが手綱を絞った。英雄の愛馬リタリフォンは後ろ足で立ち上がり、激しくいなないた。そのままグレイグは愛馬を駆って大岩をまっさかさまに駆け下りた。ものすごい乗馬技術だった。彼の部下たちも訓練されているらしく、上官について恐れ気もなく崖から逆落としを始めた。蹄鉄が岩を蹴る音があまりに激しく、豪雨の中にいるようだった。
 カミュは切羽詰まってあたりを見回した。すぐそばでのんびりと草を食む馬が二頭いた。二人はすぐに駆け寄って、馬で逃げ出した。
 背後からデルカダール王国軍が追いすがる。先頭に立つのは英雄グレイグ。グレイグは片手かるくあげた。すぐ後ろを走っていた部下がボウガンを取り出した。グレイグは腕を払って命令した。
――撃て!
狙い定めて発射した矢は、イレブンの乗る馬の尻にあたった。
 馬はいなないて暴れた。イレブンは制御しきれずに落馬した。
 先行していたカミュが馬上で振り向いた。
 草むらの中で、イレブンは動けないでいた。
「今だ!悪魔の子を捕らえろ!!」
グレイグが叱咤した。
 イレブンが立ち上がった。
「おい、逃げ……」
全身を騎馬兵団の前にさらしたまま、イレブンはカミュを振り向いた。
「カミュ、逃げろ!」
「バカ、お前」
「あいつはぼくがやる!」
そう言って、突進してくるグレイグに向き合った。
イレブンの右手が剣の柄をつかんだ。表情が険しくなり、ぎりぎりと歯噛みの音が聞こえそうな形相へ変化した。
「デルカダール……グレイグ!」
「無茶だ!あの人数を見ろ!」
イレブンサイコには聞こえていないようだった。
「あいつ、ぼくの村を焼いた!みんなを、母さんを、エマを……」
身に迫る危険と激しい憎悪のために、イレブンは殺意の塊と化していた。頭に血がのぼっているらしく、ベビーは影すら見えなかった。
「いいから来い!逃げねえと」
「いやだっ!」
殺してやる、イレブンはつぶやいた。唇の角があがり、眼が見開かれた。来たるべき殺戮を、流血を、それどころか自分自身の激痛さえも、待ち焦がれているように見えた。
「ああっ、この、クソッ」
この状態になったら解除するのは難しい、少なくとも時間がかかる。カミュは焦った。
「お前のじいさんが言ったことを思い出せ!」
それは賭けに近かった。
「人を恨むなと!そう言われたんだろう、お前は!」
イレブンの顔が泣きそうにゆがんだ。
 一瞬イレブンがけいれんし、のけぞった。ぐらりと上体が揺れ、膝が地についた。その手から武器が離れた。
「しまった……!」
『サイコ』状態を解いてしまったイレブンめがけてグレイグ率いる騎馬兵が殺到してきた。この草原に身を隠すところなどない。イレブンが青ざめた。
 ひどく長い一秒の間、カミュは頭を巡らせた。
――オレ一人なら、逃げ切れる。
――さっき逃げろと言ったのに、いうこと聞かない方が悪い。こんなめんどくせえヤツ、捨てていけ。
 今にも馬腹を蹴って逃げだそうとした瞬間、イレブンがこちらを見た。
 いつものくせでついカミュは、それが『ベビー』か『サイコ』か、見極めようとした。
――どっちだ、お前は。
 イレブンはよるべなく、たよりなく見えた。眼に涙をためているようだった。
 同時にイレブンはおびえていた。罠にかかった獣のように絶望していた。
 そして、まちがいなくカミュの方を見つめ、無言で助けを乞うていた。
 カミュは叫びだしたくなった。
――この土壇場でその顔か!なんてこった、ひどい不意打ち(シャドウアタック)だ!
カミュは強く手綱を引いた。無理やり馬の進行方向を変えた。
――何してるんだ、オレは?
頭で判断する前に体が動いた。イレブンに向かってまっしぐらに走り出した。自分の唇がマジか、マジか、とつぶやいていることすら、意識していなかった。
 視界の中でイレブンは見る見るうちに大きくなる。イレブンは信じられないという表情でこちらを見上げていた。
その大きな目に、自分が映っていた。
――ベビー、サイコ、どっちなのかわからないが。
「いやもう、どっちでもいい!イレブン!つかまれ!」
預言がどうであれ、オレは絶対にこいつを見捨てることができないのだとカミュは思い知った。
 片手で手綱をつかんで身体を傾け、腕をできるだけ先へ伸ばした。その手に勇者の紋章を授けられた手が重なった。
 ぱし、と音を立てて手をつかんだ瞬間、カミュはイレブンを鞍の後ろへ放り上げた。イレブンはカミュの背につかまり、二人乗りの疾走が始まった。
 耳を聾する馬蹄の音にまぎれ、“かみゅ”とつぶやく声がかろうじて聞こえた。
「舌噛みたくなかったら、黙ってろ!」
答えは背中にしがみつく指先だった。
 グレイグ率いる騎兵隊は諦めなかった。草原の行きつく先は、開かずの祠ひとつあるだけの海なのだから。
 二人は必死で逃げ道を探した。そのときだった。イレブンが肩にかけているバッグの中から、何かが光を放った。美しい、青い光だった。
「イレブン!!石だ!!じいさんからもらった石を出せ!」
イレブンはバッグの中から、まほうの石をつかみだした。突然まほうの石が明るく輝いた。イレブンはたまらずに片手をあげて光を避けた。
 まほうの石が放った光は空中で収束し、まっすぐ前方を照らし出した。前方に立つ旅立ちの祠の開かずの扉、その中央の石がきらりと光った。重い扉がきしみながら左右へ開き始めた。
 カミュは呆気にとられ、それから目前の希望に向かって馬をせきたてた。
 グレイグはリタリフォンに拍車をかけた。
「逃がすものかぁっ!!災いを呼ぶ悪魔の子め!!」
みずからボウガンを取り出し、前に向かって発射した。矢は二人の乗る馬に命中した。
 二人は馬から落ちて草原を転がった。だが、起き上がったところからもう祠が見えていた。
「走るぞ、イレブン!!」
追っ手は馬、こちらは徒歩、だが祠の扉は開ききっている。祠の前の石橋と階段をカミュたちは全力疾走した。イレブンが頭にかぶっていた布がその勢いでついに外れて宙を舞った。
 祠の中へ飛び込んだ。中には不思議な円形の台があるだけだった。その上に立つと扉が閉まり始めた。隙間からグレイグ隊が馬で石橋を渡ってくるのが見えた。恐ろしい勢いだった。
 そのとき、足もとから青い光が噴き上がった。同時に重い音を立てて祠の扉が動き出した。そしてグレイグの目の前で完全に閉じてしまった。
 噴出する光がようやくおさまったとき、二人はやはり、祠にいた。だが、あれほど激しかった馬蹄の音がまったく聞こえなくなっていた。荒い息をおさえ、二人は顔を見合わせた。
 ついにカミュたちは、デルカダールから脱出したのだった。

 長い物語を聞き終わったあと、ラムダの天才少女はつぶやいた。
「つまりあんたの言う『サイコ』が出現する条件を確認したわけじゃないのね?」
カミュは後頭部をかいた。
「強いモンスターがいると確実にサイコが出ばってくる」
ベロニカはうなずいた。荒野の地下迷宮のボス、でんでん竜のデンダは、見ているこちらが哀れになってくるような凄まじさで勇者に滅多切りにされていた。
「それから?」
「あとは、そうだな、あいつが頭に来たときかな。憎いとか、悲しいとか」
ベロニカは腕を組んで考え込んだ。
「そこがあいまいなのよね。まあ、いいわ。観察を続ければ何かわかるかもしれない」
カミュはため息をついて荷物を肩にゆすりあげた。
「やっぱ、チビちゃんじゃ相談してもムリか」
ベロニカは両手杖をくるりと回した。
「それもう一回言ったら、むこうずねをひっぱたくからね!」
「自分には見えねえからって、怒るなよ」
「何、あんた、サイテーよ、その言い方!第一、あたし、見えるんですからねっ」
イレブンがホムラの里の階段を上がって酒場の入り口に姿を現したとき、ベロニカは体の中で心臓が跳ね上がるような心地がした。ひと目でわかった。ラムダの里全体が待ち望んでいたその存在、勇者を確実にとらえた瞬間だった。
 そのとき、ベロニカの目に、一瞬イレブンの姿がぶれて見えた。表情も定かでないイレブンの影のようなものがふっと現れて消えた。
「影っていうか、もっとボンヤリとだけど」
 魔力もMPも自分の方が上。それなのに自分の目にはせいぜい影ていどなのに、この男はもっとはっきり見えるらしい。少々もやもやした気分だった。
「だいたい、なんであんたには見えるのよ!」
ん~とカミュはつぶやいた。立ち止まって、軽い拳にした手を口元に当て、考え込んだ。
「あいつがオレといっしょに旅をするって決めたとたんにサイコの影が見えるようになった。たぶん、あいつがオレを相棒に決めたから、オレにも見えるんじゃねえかな」
「あたしはイレブンから相棒と思われていないってこと?」
カミュが応えようとしたとき、誰かが話しかけた。
「お姉さま」
後ろからセーニャが追いついてきた。
「イレブン様は、あちらで岩に話しかけていらっしゃるんですけど、どうしましょう?」
カミュがひらひら手を振った。
「ヨッチ見つけたんだな。ほっとけよ。すぐ来る」
ヨッチ族なる奇妙な生き物のことはイレブンから説明されていたが、これもベロニカには見えない。セーニャはおっとりと微笑んだ。
「私もヨッチ村行ってみたいです」
「あー、そのうちな」
ベロニカは妹に聞いてみた。
「ねえ、イレブンのそばにもう一人イレブンがいるの、見える?」
セーニャはきょとんとした。
「いいえ?イレブン様はおひとりですわ?」
カミュが尋ねた。
「ほら、あいつ、戦闘の時とそうじゃない時と、性格代わるだろ?」
セーニャは不思議そうな顔になった。
「え、そうですか?」
「そこからか……」
ベロニカは首を振った。
「カミュ、この子、本当に気付いてないと思うわ」
セーニャは笑った。
「もうっ、からかっていらっしゃるんですねっ。イレブン様は最初から最後までおひとりですよ」
セーニャの言ったことが一番真実に近かったのだと気づくのは、それから長い時間が過ぎた後のことだった。