1.エンブレムとシールド

 ナポレオンの紋章等を見ると、翼を広げた鷲がついていたりしますが、あれをスプレッドイーグルspread-eagleと言うそうです。 「雨と太陽の王国」に登場するスプレッドラーミアという呼び方は、イーグルの代わりにラーミアをつけてみただけです。このような図形を紋章(エンブレムemblem)または具象図形(charge)と呼ぶそうです。

ロトの印
Rubis, the Spirit (Seal)
"The Emblem of Roto"
青の地にスプレッドラーミア

 さて、このエンブレムを紋章(シールドshield/エスカッシャンつまり盾)の上に重ねます。ただ、盾は戦闘員を意味するので、女性や聖職者はあまり用いない原則があるそうで。盾形(アイロンを裏から見た形)じゃなくて菱形とかならありのようです。
 また、重ね方にはルールがあり、原色(ここでは赤、青、緑、黒、紫、茶/橙)の上に金属色(ここでは金、銀)を重ねるか、その逆にするか、のみOKです。

ロトの盾
Roto,the Hero (Shield)
青の地に(金の)スプレッドラーミアを重ね、さらに金の縁取り

 こうやってできた紋章(コートオブアームズcoat of arms)は代々受け継がれていきます。

 しかし紋章には、”ひとつの地域では、同じ紋章を二人以上の人物が使うことはできない”という原則があります。
 親子であろうと、同一の紋章を使うことはできません。そこで、いろいろな手段で、”同じエンブレムを使っていてもちょっとだけ違う紋章”を作り出していきます。これを、ディファレンシング(differencing)と呼 びます。
 ↓の図は、ローレシア王に三人の子どもがいて、それぞれ長男の紋章にはレイブルを加え、次男、三男の紋章は、地色を色違いにすることでディファレンシングとしたものです。長男は、父王の死後、レイブルlabelをはずして使用します。 銀のレイブルは、長男を示すことの多いしるしsub-ordinariesだそうです。

ロト系王家系図

 この例では、ローレシア王の世継ぎは、王子のときと王になってからでは紋章が変わることになります。このように、同じ人物でも立場や職業が変わると紋章に変化がおこります。そのへんを示すためにアクセサリをつけますが、詳しくは次ページにて。

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