DQコンサート感想2006

ドラクエコンサートへ行ってきました その2

2006年2月22日、とんぼはドラゴンクエストのコンサートを聴きに行ってきました。 演奏は東京メトロポリタン・ブラス・クインテットさんで、曲目はシリーズのどれかに偏らず、いろいろと盛りだくさんでした。 楽器の音色にもいろいろあると思うのですが、とんぼは特に、金管楽器のきらびやかな音色が好きです。というよりも、ドラクエメロディを聞いていて、「あ、これ好き」と思った曲はたいてい金管楽器が使われているものでした。代表的なのが、「王宮のトランペット」だったり。今回のコンサートはとても楽しみにしていました。

トランペットの音色は、実にきらびやかで鋭いです。だからいっしょに鳴っていると、ホルンやトロンボーンが柔らかく、チューバが深みを帯びて聞こえます。ヘンなたとえですが……たとえば森の緑にも新緑のうす緑から常緑樹の深い緑までいろいろあるように、五重奏はきれいなグラデーションのようで、聞いていてたいへん気持ちがいいのでした。

気持ちのよかったこと、ひとつめ。池袋の東京芸術劇場なんかでやるコンサでは大量の楽器が動員されて劇場いっぱいに響き渡るあの序曲を、たった五つの楽器で表現するんですよ。大丈夫かな、と最初思っていましたが、見事に大丈夫でした。なんというか、一点の曇りなく輝かしく、ほんとに”ヒーロー”していました。これだけでとんぼは息を呑んでしまいましたです。

気持ちよかったこと、ふたつめ。五つの楽器(トランペット2、ホルン、トロンボーン、チューバ各1)が全部いっしょに鳴ると、ぶ厚い響きが凄く快いです。王宮ダイジェストと名づけられたプログラム(3,5,8のお城の曲メドレー)で、堪能いたしました。この中には「王宮のトランペット」も入っていて、とんぼには至福の時間でした。二本のトランペットが、お互いに「上行く?」「もっと行く?」と言いあいながらからみあい、登っていき、上昇しきって、ついにどっと雪崩落ちていきました。落下地点に他の楽器が(たぶんホルンだと思うのですが、ホルン奏者の西條貴人さんはとんぼからはお顔しか見えなかったので、トロンボーンさんかも)待ち構えていてさっとひきとってまた悠然と歩みだす、その受け渡しが毎度のことながら、うっとりもんでございました。

金管楽器というのは、体力勝負だとか。演奏者のみなさんもたいへんだった、と話していらっしゃいましたし、また映画「スィング・ガールズ」を見て笑っていたら”ほんとはあんなもんじゃない”と人から言われました、そのくらい苦労するものだそうで。実際に演奏を聞いていると、ほんとに音が暴れまわるようでした。今にも駆け出しそうになる音を、演奏者が技術の力でぐいっとひきとめ、曲にしているのがわかります。ですが、その暴れんぼうをどーんと開放してやることで生まれる気持ちのよさと言ったら!DQ4「楽しいカジノ」は、文字通りスィングしていました。

そういえば気持ちのいいこと、番外。カジノのメロディには、途中から特徴のある打楽器の音が入ります。金管五重奏には、打楽器はありません。なんとこの”こん!”という音は、すぎやま先生みずから奏でていらっしゃいました。先生もすごく、楽しそうでした。

実は今、ホールのロビーで買ってきたCDを聞いています。コンサ当日はいろいろありまして(なんかレベルアップしたり、ライブらしくあちこち楽譜とちがう?みたいな音がきこえたり、「そして伝説へ」冒頭、鳥肌立つような鋭い音を聞かせてもらったり、高橋敦さん…この方、演奏の終わりにちょっとトランペットの先端を回すんですよ……のファンになっちゃったり)、CDを聞いているとよみがえってきます。一言で言って、すてきな夜でした。

パンフといっしょのヘンリー(トモキドール)