妖精たちのポルカ 9.メダ女裏番長

  校庭で待機していたベロニカが追跡に加わった。
「逃がさないわよ」
 ナンシーたちは早足から小走りになって校舎入り口から吹き抜けホールへ入った。昼を少し回った時刻、吹き抜けホールには上階の窓から太陽光が入り、二階の回廊の凝った手すりの影を美しく落としていた。
 校長室の扉が開き、待ち構えていたロウ、シルビアとメダル校長が現れた。
「シルビア、捕まえて!」
焦ったナンシーが大きく舌打ちした。
「ちっ」
スケバン二人とパーティのようすは明らかに普通ではなかった。トキが立ち止まった。ユーシュカが箒を止めた。図書室が開いて、チコとノントトが顔を出した。
「なに、なに?」
 進退窮まったのか、ナンシーとセシルは立ち止まり、あたりを見回した。その顔が、焦りから真顔になり、そして妙な笑顔になった。
――どうして笑う?
 一瞬の違和感のあと、奇妙な音が鳴り響いた。怪鳥の幽谷で聞いた不気味な鳥の鳴き声に似ていたが、はるかに禍々しかった。
 次の瞬間、足もとから紫の霧が現れた。妙に生臭い匂いが立ち込め、霧の中に煤のような微細な粉塵が大量に混じっていた。
「うあっ」
イレブンは思わず自分の頭をおおった。
 メダパニとマヌーサを同時にかけられた嫌な心持だった。気をつけてと言おうとして、舌が動かないことに気付いた。
――なんだ、これ。
視界がぶれ、耳鳴りが襲ってきた。マヒさせられた、と思ったとき、膝の力が抜けてイレブンはその場にうずくまった。
「毒か……」
ひと声うめいてロウが膝をついた。きゃしゃなベロニカは息も絶え絶えだった。
 マルティナとシルビア、カミュは凄い形相で複数状態異常に抗っていた。が、じりじりと侵食してくる霧に抵抗しきれないことは明らかだった。
 くくくく、と誰かが笑った。
「邪神サマノオチカラガ制限サレテイルコトヲ感謝スルガヨイ。コレハ穢レタ霧。本来ナラ終末ノ炎ノ贄トシテヤルノニ」
耳と横顔を吹き抜けホールの床にべったりつけたままでイレブンはなんとか、かすむ目を開いた。
「ナンシー、セシル、やはり」
魔王クラスの魔物に召喚された二体のモンスターは、イレブンたちを見下ろして嘲笑った。もう口調を偽ることすら、しないようだった。
「気絶シテオレ。ソノホウガ楽ニ逝ケヨウゾ」
 ナンシーたちの後ろに、もう一人の女子生徒が進み出た。ベロニカが顔色を変えた。
「まさか……、あんたが……魔物憑き」
体内を荒らす猛毒に抗って何とかマルティナは頭を起こし、叫んだ。
「あんただったのね、ユーシュカ!」
 からんと箒を投げ捨てて、ユーシュカは微笑んだ。
「そうよ。夜中に寄宿舎を歩いていてトキを見つけたのも、いつもこのホールにいてアイリスの話をこっそり聞いていたのも私」
くすくす笑うとユーシュカは気取った手つきで襟のリボンを外し、足もとに落とした。
「これを盗んだのも私なんだけどね。もう返すわ、いらないから」
赤いリボンがひらひら舞い落ちるのをつかもうとして、マルティナの手は力なく落ちた。
「サア、邪神ノ子ラヨ、今ノウチニ勇者トソノ仲間タチノ命ヲ絶て」
奇妙な抑揚でユーシュカが命じた。ナンシーとセシルがナイフを手に進み出た。

 セーニャはようやく校舎へたどりついた。何かが起こっている。それは確かだった。二人の女子生徒を追ってパーティが校舎へ入ったところまではこの目で見ていた。その直後、実に嫌な、不吉な、悪意の塊のような気配をセーニャは感じ取った。校舎に入った瞬間セーニャは立ち止まった。
 吹き抜けホールの中央にある校長室は、周囲の濠と花壇、追憶の根ごと結界の半球に閉じ込められていた。半球の内部では獰猛な紫の霧が渦巻き、床にはパーティと、校長先生が倒れているのが見えた。
「どうしましょう!」
まわりにはメダ女の生徒たちが群がり異常事態に混乱していた。
「セーニャさん、無事だったのね」
グレース先生だった。
「よかった、ほかの人は、みんなあの中に」
みんな、ということは、頼みの綱の姉ベロニカ含め仲間がすべて閉じ込められているということだった。
「セーニャさん、これは、ロウさまの言っていた魔物の仕業なのね?」
「そうだと思います」
「校長先生も中にいらっしゃるのに!」
グレース先生は青ざめた。
 セーニャは意を決した。
「グレース先生、生徒さんたちを避難させてください」
グレース先生は驚いた顔になった。
「セーニャさん、あなたは」
「私がなんとかします」
今までどんな戦闘の時も、自分一人が生き残ったことなどなかった。けれど、やらなくてはならない。
 グレース先生は紫の半球とセーニャを見比べた。
「あなたは回復役なのでしょう?」
顔がひきつっていないこと、目から涙がこぼれていないことを願いながらセーニャは答えた。
「はい、戦闘向きではありません。姉ほど威力のある魔法も使えないし、マルティナさまやカミュさまのように強くもありません。もとより勇者でもなく、シルビアさまのように多芸でもなく、ロウさまほど老練でもありません。私は愚図で、世間知らずで、子供っぽくて、不器用です。でも!」
セーニャは深く息を吸った。
「そのどれをとっても、ここでただ一人傍観していてもいい理由にはなりません」
「危険ですよ?」
セーニャは首を振った。
「自分だけで勝てると考えるほど思い上がってもいませんから、ご心配なく。まず、一人、誰でもいいから、一人でいいから、あそこから連れ出します。そうすれば、治癒も回復も私にはできます」
 肘を曲げて腕を掲げ紫の霧を吸い込まないように鼻と口を覆い、セーニャは前傾姿勢を取った。走りだそうとした瞬間、身の内をぞくぞくする感覚が走り抜けた。
 視界の隅から中央へ、光るものが飛来した。赤、緑、黄、銀のそれは、まっすぐにセーニャの周りへ集まってきた。
――なんて綺麗な……。
思わず足を止め、セーニャは見上げた。四つの光はセーニャの周囲をどこか楽しげに巡り、ひらりひらりと飛び回った。

 臭くて汚い霧が、清らかな風に吹き払われた。驚いてカミュは顔を起こした。
 誰かがやってくる。青いメダ女の制服を着た金髪ヘアバンドの少女が、片手にスティックを下げ、四つの光をまといつかせてこちらへ向かって歩いてきた。
「セーニャ、なの……?」
おぼつかなげにベロニカがつぶやいた。
 複合状態異常を強制する紫の穢れた霧が、真っ二つに分かれた。そのあいだにできた道の上にセーニャがいた。
「マダ残ッテイタカ」
やれ、とユーシュカの中の魔物は邪神の子らに命じた。ナンシーとセシルがナイフを構えて左右から近寄った。
 セーニャがスティックで払いのけた。金の飛沫をまとう風が巻き起こった。ナンシーとセシルは、あわてて避けた。
「イレブンさま、起きてください、イレブンさま」
セーニャはうずくまったイレブンの前に膝をつき、そうささやいた。小さなうめき声をあげて勇者は瞼を上げた。
「セーニャ?」
はい、と言ってセーニャは大きくうなずいた。
「毒とマヒ、眠りは解除しました。妖精さんたちが力を貸してくれたので、イレブンさまの攻撃力守備力が上がり、HPMPとも少しずつ回復します」
 眠気を払うように一度強く首を振って、イレブンは立ち上がった。
「セーニャ、みんなをお願……まかせる」
だがイレブンの目はセーニャではなく、ただ正面を見据えていた。
 全身に力が入らないカミュにとって見える範囲は限られていた。だが、立ち上がったイレブンの背後にもう一人イレブンがいることはわかった。今、影にまわっているのはイレブンベビー、ならば、後ろ向きで顔は見えないが魔物と対峙しているのは、イレブンのもう一つの人格、情け容赦のない戦闘狂イレブンサイコだった。
「よお、相棒!やっとお出ましか」
まだしゃがれた声でカミュは話しかけた。敵を見据えたままイレブンは答えた。
「落とし前はこれからつけるさ」
メダ女中の女子生徒から“王子さまのよう”と評される気品のある美貌が、闘志に炙られてぎらぎらしていた。
 ユーシュカの唇を借りて魔物がつぶやいた。
「十六年ブリニナルカ、勇者ヨ。ダガ、マダ終ワリデハナイゾ……抵抗するなら仲間を殺すわよ?第一、あなたにメダ女の生徒を攻撃することができるかしらね?」
「ぺらぺらとよくしゃべるな」
前を見据えてイレブンは言った。
「出て行け。メダ女はぼくが仕切る」
ナンシーとセシル、二人の邪神の子が身構えた。くすくす、と魔物は嘲笑った。
「不良みたいなことを言うのね、王子さまのくせに。しかも丸腰で。武器なしで何を強がってるの?」
イレブンは制服のジャケットの襟に手をかけ、後方へ脱ぎ捨てた。
「かまわない。素手で殴る」
低い声でそう言い、左手のひらに右手の拳を打ち付けた。
 イレブンが助走をつけた。ユーシュカに届く前にセシルのチェーンとナンシーのナイフが割って入った。
 左手の肘をセシルのみぞおちへたたきこみ、ナンシーの手首を手刀でたたいてから足払いをかけた。そのあいだ、わずかにひと呼吸。
 イレブンが体勢を直すと、その両側にナンシーたちが転がり、紫の霧と化してゆらゆらと消えた。あとには青い制服だけが残っていた。
「お前の番だ」
一歩足を踏み出してイレブンがそう宣言した。
「女を殴るの?最低の男だわね」
とユーシュカの中の魔物が言った。
「女の子の中に隠れる卑怯者がそれを言うか?」
とイレブンは言い返した。
 セーニャはパーティを一人一人回って状態異常を解いていた。仲間たちは立ち上がることはできなくても、意識を取り戻していた。
「イレブンくん」
メダル校長もセーニャが回復していた。
「ここでためらってはなりません。ガンガン行くのですな!」
隣からロウが声をかけた。
「その身体は嫁入り前のお嬢さんじゃ。顔はいかんぞー」
「わかりました、おじいさま」
闘志満々でそう言って、自分より小柄なユーシュカの身体めがけてイレブンはまっすぐ近寄り両手を拳にして顔の近くへ上げた。
 まさかこの優等生が少女を本気で殴るとは思っていなかったのだろう。ユーシュカはひるみ、後ずさり、そしてくやしそうにつぶやいた。
「ワシノ本体ガアレバ、貴様ラナド一蹴シテクレタモノヲ!近寄ルナ!ソレ以上ヨレバ、コノ身体デ屋上カラ飛ビ下リテヤル!」
セーニャの周りを回っていた四つの光がふわりとイレブンの元へ飛んだ。
「ほざけ」
右ひじを大きく背後へ引いてからの右ストレートをイレブンは選んだ。その拳に光はまとわりつき、ついに虹色の光の幕となった。勝利を確信したイレブンの横顔、そして恐怖に青ざめたユーシュカの顔が、カミュのいるところからよく見えた。二フラムをまとう一撃はユーシュカの腹部へまっすぐに入った。
 ユーシュカが弾けた。光とも粉塵ともつかないものが小柄な少女の身体から噴き上がり、空中で四散した。ユーシュカは下腹を抑えた状態で崩れ落ちた。
 からん、からんと音がして、ぐったりしたユーシュカの身体の周りに落ちてきたものがあった。それぞれ赤、緑、黄、銀の色をした四つのオーブだった。

 白衣のルージュ先生は安心させるようにうなずいた。
「ここ五日ばかりのことはあまり覚えてないみたいだけど、それ以外ユーシュカは異常ないわ。」
イレブンはほっとため息をついた。
「よかった。ちょっと心配だったんです」
マルティナは笑顔になった。
「あのままにしておいたら、あいつはユーシュカを飛び降り自殺させていたでしょう。これでよかったのよ」
イレブンは素直な笑顔を返してくれた。
 パーティは出発の準備を整えてメダル女学園校庭に集合していた。全員制服は脱いで、旅支度をしていた。
 今回の騒ぎについてメダル校長とグレース先生は、魔法の実験中の事故ということにしていた。ロウとメダル校長は、ユーシュカから離れた魔物にはもう邪悪な力はほとんど残っていないだろう、という点で一致していた。セシルとナンシーは退学扱いとなり、名簿は再度訂正された。この二人がここ数日暮らしていたのは校庭の井戸の底にある小屋だったことがわかり、 “もっと早く見つけていれば”と言ってギリアムが落ち込んでいた。
そして、ロウ一行がメダ女を離れるのは、予定通りの行動だということにもなっていた。
 放課後、パーティのために少女たちは校庭に見送りに来てくれた。生徒一同を代表してアイリスが大きな花束をイレブンに渡すと、涙にくれる女子生徒もいた。
「ありがとう、みなさん。ぼくたちはこういう学校は初めてで、いろいろと新鮮で、楽しかった。どうか、元気で」
これが見納めとばかりに少女たちはイレブンに群がった。
「あの、ボタンいただけませんか!?」
紫の袖なしコートに戻ったイレブンは真面目に答えた。
「ごめんなさい、ぼくの服にはボタンがありません」
 カミュもカミュで、殺気を感じたのか逃げ腰になったところを見つかってしまい、結局告白攻めにあっていた。先頭きっていたのが生徒会長だったのはマルティナにはちょっと意外だった。
 シルビアは一番落ち着いていた。商売柄この手の修羅場は慣れているのだろう。愛弟子たちをひとりずつ明るく激励していた。
「シルビアせんせい、あ、あ」
結局一日くらいしかクラスに出られなかったボリスはぼろぼろ泣いていた。
「いい子ね、ボリスちゃん。アナタの夢はきっとかなうわ」
「先生、お願いがあります」
涙をぬぐってボリスが言った。
「あのときの仮面をもらえませんか?お守りにしたいんです」
ボリスの言う仮面とは、赤と金と白の華麗な仮面だった。道化師の鈴付き帽子を模したその仮面は、レディ・マッシブが仮面武闘会で着用したものだった。
「ごめんなさいね。あれは、アタシのパートナーが持っているわ。武闘会が終わった時、パートナーどうしで交換したの」
グロッタの美青年闘士、マスク・ザ・ハンサムのことだった。
「ボリスちゃんには、代わりに名前をあげるわ。いつかデビューするときのあなたは、プリンセス・マッシブよ」
 ボリスは両手で自分を抱きしめた。
「せんせい、ありがとう……」
「はいはい、泣かないの。いつかそのうち、ステキになったアナタを見せてちょうだいね?」
まだ泣いているボリスを、シルビアは聖母のような表情で慰めていた。
――シルビア、あなたはその気になれば、かなりの女たらしになれるのでは?
マルティナは半分呆れ、半分感心していた。
 ベロニカには“ファンの集い”はなかったが、ここ数日で知り合いになった初級の少女たちが集まって別れを惜しんでくれていた。メダ女初級の生徒たちの丸い帽子がたくさん集まっているようすは、遠目で見るとなかなかかわいらしかった。メイジーというらしい少女が、布に包んだものをベロニカに手渡していた。香りからして焼きたてのパンのようだった。
 マルティナはセーニャを目で探した。メダルを拾う乙女の像の下にステキなレディ部が集合している。セーニャはその中にいて、頭や背をなでてもらいながら泣きべそ顔で餞別を受け取っていた。
 あの、と言われてマルティナはふりむき、ぎょっとした。グレース先生と生徒たちにいつのまにか囲まれていたのだった。
「マルティナお姉さま」
泣いて目を赤くした少女が言った。
「制服もすてきだったけど、そのお召し物も凛々しくて」
「いつか帰ってきてくださいますか?」
「このままお別れなんて、いや」
「ずっと遠くからお姿を見ていたのです。もっとお話したかったです」
口々に少女たちは訴えた。
 え~と、とマルティナは口ごもった。
「それは、どうも、ありがとう。戻ってこられるかどうかわからないけど」
えええ~っと抗議の声があがった。
「マルティナさん」
グレース先生が言った。
「あなたとこの学園は、御縁でつながっているのだと私は思いますよ。きっと帰っていらっしゃるわ」
数日前親友との絆をようやく確かめたグレース先生は、確信をもって語った。マルティナはうなずいた。
「ありがとうございます、先生。いつになるかわかりませんが、そのときはお約束した昔のお話をお願いします」
お待ちしてます、と騒ぐ少女たちも、マルティナはなんとなく許せる気がしていた。
 メダル校長と話をしていたロウが戻ってきた。
「では、そろそろお暇しようかの」
パーティはそれぞれに別れを告げ、正門へ向かった。
 ねえ、と歩きながらベロニカが言った。手にはドーソンさんの特製らしいパンの包みを提げている。
「あのときのことなんだけど、セーニャは何の魔法を使ったの?」
セーニャは首をかしげた。
「よくわからないのです。霧の結界に飛び込もうとしたとき、四つの綺麗な光が飛んで来て私を守ってくれました。てっきり妖精さんたちだと思ったのですけど」
デルカダール王国所蔵だったレッドオーブ、海底の女王セレン下賜のグリーンオーブ、仮面武闘会準優勝賞品のイエローオーブ、極楽鳥が盗み出した光りものことシルバーオーブの四つは、今は飛ぶはおろか動きもせず、大事な物入れに収まっていた。
「どうしてオーブが発動したのかしら。虹色の枝だけじゃなくて、オーブを通じて命の大樹が勇者を守ってくれたってことなのかしら」
ベロニカは、妹を見上げた。
「まあいいわ。ありがとう、セーニャ。あんたがいなかったら、ちょっとまずいことになってたわ」
セーニャは大きく目を見開き、両手でほほを抑え、満面の笑みで叫んだ。
「お姉さまに褒めていただけるなんて!」
 パーティはゆっくり正門をくぐった。風に乗って校歌が聞こえてきた。振り向くと、メダル校長が指揮して生徒たちが歌っているのが見えた。
「しらかばの森にー♪こもれびの花ー♪スズランのベルを風が鳴らすよ」
 ここはロトゼタシアの別天地だった。滝と岩山に囲まれ、スズランの花が咲き乱れる可憐な乙女の花園。
「ちいさなレディは夢見るレディ♪大きな世界がわたしを待ってる♪」
 マルティナは自分が今、この花園を出てデルカダールへ旅立った母と同じ風景を見ながら同じ道を歩いていることを改めて意識した。
「ルルルールー♪歩こうザ・ワールド♪集めようトレジャー♪ラララーラー♪」
 セーニャが最後にもういちど振り向いて、大きく手を振った。
「メダル、メダル、ちいさなメダル♪王立メダル女学園ーーっ♪」