2.グランバニアの紋章

 紋章は、使用者が結婚したりすると変化します。たいていの場合、新たな紋章が組み入れられます。それを繰り返していくとどうなるでしょうか?一枚の盾が細かく分割され、たくさんの紋章が組み込まれていきます。100以上が一枚にくみこまれているケースもあるそうです。

 それはそれで、配偶者の家系も重んじるというひとつのやりかたですが、デザインの目で見ると、美しくはありません。4種類が限度じゃないでしょうか。実際に4つに分割された紋章はよく見かけます。それぞれの部分、盾の1/4を「クォータ」と呼び、左上が第一、右上が第二、左下が第三、右下が第四、と呼ばれています。

 どの場所にどの紋章を組み入れるかは、漠然とした原則はありますが、実際はその家系の事情でいろいろあるようです。ただ、第一クォータには、その家系のメイン、父方の紋章が入ります。組み込みは、結婚を通じて得た人脈や同盟関係を示すのが主な目的で、第二~第四には、歴代配偶者の紋章から選んで配置するようです。

組み合わせに寄る紋章の例

 というわけで、組み合わせのある紋章を作ってみました。原則に従って読み解くと、この紋章の使用者は、「紫の地に金の鷲」の紋章の家系の出身で、その家系には、「赤の地に金の鍵」の家系及び、「青の地に銀の天空城」の家系の血が混じっている、ないしは結婚していることがわかります。

組み込まれているのは、下のとおり。

パパス王の紋章
King Silvanus Peregrinor of Granbania
紫の地に金の鷲、王冠、毛皮模様のマント、パパスの剣
パパスの紋章です。毛皮模様というのは、原色、金属色以外に認められた紋章の”色”です。これは白テンの模様で「アーミン」と呼ばれ、本来は白地に黒だそうです。

門の氏族の紋章
Elheaven 赤のひし形の盾に金の鍵、違反色のマント
マーサさんはオフィシャル小説の中で「門をつかさどる氏族」と呼ばれていたので、鍵にしてみました。本来、鍵は、キリスト教の法王を意味する図形だそうです。

天空城の紋章
the Celestial Bride
青の地に銀の翼と城、マント

 ビアンカ、フローラとも天空の花嫁たちはほぼ同じ紋章(天空城をイメージしたもの)になると思っています。フローラバージョンは、マントがピンク色かもしれません。グリンガムの鞭も描いたんですが、うまく後ろに配置できなくてやめました。

 種を明かせば、問題の四分割紋章は、DQ5主人公か、その息子の紋章ということになるのですが、ここはやっぱり、5主君には盾一枚にエンブレムをどかっと載せた紋章をあげたかったので、下のようになりました。

DQ5主人公の紋章
King Lucius VII of Granbania
紫の地に金の鷲、翼のある王冠、紫のマント、ドラゴンの杖、魔界の鍵

 ご存知、5主人公の最強装備から、ドラゴンの杖です。太陽の冠を描きたかったのですが……どうしてもっ、タマネギに見えるのでやめました。鍵と杖は、実はゲーム「ドラゴンクエストモンスターズ1・2」では、モンスターマスターの必需品です。5主には似合うかなと思って加えています。

 2009年現在、紋章のページを製作するのに使っていたソフトを手放してしまいました。そのため、これ以上紋章ページの更新が望めません。残念ですがここまでとさせていただきます。(2009年5月とんぼ)