一家の長男であっても次の家長にならない場合と言うのは、よくある話です。たとえば母親の身分が低いなどが代表的で、次男や三男が跡取りになったりします。が、いちど後継ぎに決まった長男が健在なのに、他の子どもが後継ぎとなると、これは廃嫡という事態になります。
実際、こういうときに紋章の扱いがどうなったのか、実例を知りません。ただ推測のみです。
とりあえず、おさらいです。一家の長男が子どものころは、父親の紋章になにかしるし(subordinaries)をくわえて(多くは銀のレイブルを添えて)自分の紋章にします。父の死後はレイブルを除いてオリジナルの紋章を使用します。
Prince Henry of Rainhatt
緑の地に金の波型十字、銀のレイブル添え、
アクセサリとして鋼の剣、旅人のマント
初期のヘンリーを想定した大紋章です。鋼の剣と旅人の服のマント部分は、DQ5青年時代前半のヘンリーの装備として小説の中で設定したもので、アクセサリに加えてあるのはただの趣味です。
Prince Dale of Rainhatt
緑の地に金の波型十字、三つの五弁の花、アクセサリとして羽ペンとインクつぼ
王子のころのデールの紋章。ディファレンシングに使ったのは、三つの五弁の花ですが、特に次男を意味するものではありません。
City of Oraclebery
銀の地に赤の天秤赤の縁取り
問題はこの後。オラクルベリー市のエンブレムの設定は上の通りです。これを初期へンリー紋章と組み合わせてみます。(何でそんなことをするかと言うと、小説の中でヘンリーの称号を”オラクルベリー大公”に設定したからです。どうもすいません。)迷いましたが、レイブルは残しました。組み合わせ方は、クォータリングで。アクセサリに入れた杖は、紋章の本でよく例に出される紋章にガーター勲章とバトンがついているので、その雰囲気を出したかっただけです。
Prince Henry of Oraclebery
盾を4分割して第一、第四クォータに、緑の地に金の波型十字銀のレイブル添え、第二、第三クォータに、銀の地に赤の天秤赤の縁取り
アクセサリとして帽子、宰相杖
King Dale first of Rainhatt
緑の地に金の波型十字 アクセサリとして王冠、マント
こちらは即位後のデール。ディファレンシングなしの、オリジナルにあたる紋章にアクセサリをつけたものです。
上の大紋章は、将来コリンズがこのままの形で使うことになりますが、彼のことですから支え(盾の両側に描かれる動物など)にカエルか何かをつけくわえるかもしれません。また結婚相手によっては、紋章のどこかに、グランバニアの鷲が描かれる可能性もありますね。